もしもあなたがHIVに感染したら?
もしもあなたがエイズになったら?
「そんな縁起でもないことを言うな!」
と怒られそうですが、しかしHIVもエイズもあなたのすぐ身近に存在しています。
むろん、私自身の身近にも。
「もしも・・・」
の仮定話で済むうちに、ぜひこれだけは知っておいてください。
◇もしもあなたがHIVに感染したら?
大変残念ですが、今の医学ではHIV感染症を完治させる薬や治療法はありません。
あなたの体内からHIVを完全に駆除することは出来ないのです。
従ってあなたが一度HIVに感染してしまうと生涯治療となります。
では、あなたがHIVに感染すると、あなたの体内ではどんなことが起きるでしょうか。
①あなたの免疫細胞が破壊されていきます。
HIVというウイルスの恐ろしいところは、感染した人の免疫細胞に入り込み、そこで増殖しながら同時に免疫細胞を破壊していくことです。
本来ならウイルスのような外敵を攻撃するはずの免疫細胞を破壊し、自らはどんどん増殖していくのです。
しかもHIVが主に狙うのはヘルパーT細胞という、免疫細胞の中でも中枢機能を持つ細胞です。
ヘルパーT細胞が破壊されるのは免疫力維持からすると被害甚大です。
例えて言うなら、放火犯が消防署に放火するようなものです。消火活動の中枢に放火されては火を消せません。
あなたの体内で免疫細胞の破壊とHIVの増殖は同時進行で進んでいきます。
②あなたの免疫力が低下していきます。
あなたの体内で免疫細胞が破壊されていくのですから、どんどん免疫力は低下していきます。
CD4数という、あなたの免疫力を測る指標で言えば、健康な人が700~1,300ほどの値であるのに対し、HIVに感染するとやがて500、300、200、100と減少していきます。
③日和見感染症に感染します。
あなたのCD4数が350以下になった頃から日和見感染症に感染しやすくなります。
日和見感染症というのは、健康な人なら感染しない、あるいは感染しても免疫力が働いてすぐに治ってしまうような病気のことです。
しかし、HIVに感染すると免疫力が低下していくので、弱い病原菌でも退治することが出来ずに感染、発症、重症化と進んでいきます。
つまり、あなたがHIVに感染すると、
免疫細胞破壊⇒免疫力低下⇒日和見感染症発症
といった経過をたどることになります。
◇もしもエイズになったら?
先ほども説明したようにあなたがHIVに感染すると日和見感染症に感染します。
そして予め指定された23種類の日和見感染症のどれか1つを発症すると、その時点であなたは「エイズ患者」と認定されます。
その23種類の日和見感染症をエイズ指標疾患と言います。
あなたがエイズを発症するとその時点ですでに免疫力はかなり低下しており、複数のエイズ指標疾患を同時に発症することもあります。
あなたの免疫機能が働かなければ日和見感染症は治療出来ません。どんどん重症化し、やがて生命の危機を迎えます。
このようにエイズとは特定の病気を指す言葉ではなく、HIV感染による免疫力低下によってエイズ指標疾患を発症している状態を言います。
つまり、あなたがエイズになると日和見感染症によって生命の危機にさらされることになります。
注)むろん、これは何も治療をしない場合の話です。現在ではエイズ発症後も免疫力の回復が出来るようになりました。
エイズで死亡する患者さんは激減しています。
このページでは、もしもHIVに感染したら?
もしもエイズになったら?
ということを概略で説明しています。
●もしもあなたがHIVに感染したら?
あなたの免疫力はどんどん低下していきます。免疫力が機能しなくなります。
●もしもあなたがエイズになったら?
免疫力は極端に低下しており、日和見感染症によって命が危ない状態になっています。
◇HIVに感染しない方法、エイズにならない方法
では最後に、あなたがHIVに感染しない方法と、仮にHIVに感染してもエイズにならない方法を説明したいと思います。
●HIVに感染しない方法
HIVは非常に感染力の弱いウイルスで、日常生活ではまず感染しません。
風邪やインフルエンザみたいに飛沫感染(空気感染)することはありません。
日本国内では、新規HIV感染者の88%、新規エイズ患者の80%以上が性行為によってHIVに感染しています。(厚生労働省エイズ動向委員会2015年データによる)
従ってあなたがHIVに感染しない最大の予防策は性行為の際にコンドームを使うこと、不特定多数との性行為を避けることです。
あなたがHIVに感染していない人だけと性行為を行えば、HIVに感染することは絶対にありません。
●エイズ発症を防ぐ方法
かつてはHIVに感染するとエイズ発症を防ぐ方法はありませんでした。
HIV感染は数年先のエイズ発症を意味し、エイズ発症はほぼ2年以内の死を意味していました。
HIV感染症はエイズ発症を経て死に至る、致死的疾患だったのです。
しかし、1997年頃からARTと呼ばれる治療法が開発され、HIV感染症の予後は劇的に改善されました。
エイズで亡くなる人は激減したのです。
ARTによってエイズ発症前にHIV感染が分かればエイズ発症を防ぐことが可能になりました。
体内のウイルス量を検出限界までコントロールすることが可能になったのです。
つまりHIV感染によって低下した免疫力をあるレベルまで回復させ、免疫機能を維持できるようになったのです。
免疫力が働けば日和見感染症にかかることはありません。感染しても治療可能です。
すなわちエイズになることはありません。
ここでの最大のポイントは、
「いかに早くHIV感染に気付くか?」
ということに尽きます。
ARTによって低下した免疫力を回復できるようになったのですが、どこまで免疫力を回復できるかは治療開始時期に大きく左右されます。
まだ免疫力の低下が大きく進まないうちに治療を開始した方が、その後の免疫力を高く維持できるのです。
そしてHIVに感染しているかどうかはHIV検査を受ける以外に判定方法はありません。
よって、早期のHIV検査は救命的検査となります。
しかし、現実には自分のHIV感染に気付かず、エイズを発症してから気付く「いきなりエイズ」の人が多いのです。
日本では年間に約1,400人から1,500人くらいの新規HIV感染者が報告されています。
しかし、その約30%はHIV感染が分かった時点ですでにエイズを発症しています。
そう、「いきなりエイズ」が30%の比率を占めているのです。
更に年齢を50歳以上で見ると、何と「いきなりエイズ」の比率は50%にも達します。
HIV感染者の2人に1人は「いきなりエイズ」で見つかっているのです。
何度も説明してきましたが、現代の医学ではエイズ発症前にHIV感染が分かれば薬でエイズを防げます。
「いきなりエイズ」は早期のHIV検査で防げるのです。
最後の最後に、もう一度HIVに感染しない方法、エイズにならない方法を繰り返します。
●HIVに感染しない方法 ⇒ 性行為による感染ルートを予防する。
●エイズにならない方法 ⇒ 早期のHIV検査を受ける。
あなたの身を守るのはあなたご自身です。
HIVに感染しないよう、エイズを発症しないよう、くれぐれもご注意下さい。
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