当サイトで過去にも取り上げた「自己検査キット」。
今回、改めて追加調査の結果を甥っ子陽介に話します。
ぜひあなたもいっしょに聞いて下さい。
(甥っ子陽介)おじさん、自己検査キットって、信頼性低いんですか? |
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(私)陽介、それは前にも教えたよね。使わない方がいいよ。 |
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(陽介)でもおじさん、自己検査キットって、最近すごくネットで目につくんですよ。
けっこう売れてるんじゃないですか?以前よりもかなりネット露出が多くなってる気がします。
(私)確かにね陽介の言う通りだね。
以前、『自己検査キットってなに?』で陽介に教えた時に比べるとかなり販売サイトも増えてるね。
(陽介)あのときおじさんは自己キットの中には安全性や信頼性に問題があるものも含まれてるって言ってましたよね?
(私)そう。厚生労働省の関連サイトで使用しないように警告してるんだよ。
ここだね。⇒『HIV検査相談マップ』
以前よりも警告内容が増えてる。それだけ市場に出回ってるってことかも知れないね。
(陽介)おじさん、そもそも自己検査キットはどうして使わない方がいんですか?
もう一度教えて下さい。
(私)そうだね。陽介がHIV検査を受けようと思えば、まずは保健所だよね。
保健所では無料・匿名で検査してくれる。
ただ、検査が可能な日時が限られてる場合が多いので仕事や家の都合をつけないといけない。
それに検査によっては採血と、検査結果の受け取りと、2回も保健所に行く必要がある。
(陽介)それって面倒ですよね。無料で検査してくれるから文句言っちゃいけないのかも知れないけど。
(私)うん、まぁね。ただ、どうしても忙しい人は保健所には行きにくいし、対面検査が恥ずかしい、人目が気になるって場合もあるよね。
こうなると病院でのHIV検査も受けたくないってことになる。
(陽介)だから検査キットが使われるんですね?
(私)そうだよ。いつでも自分の都合で使えるし、誰にも会わずに、知られることなくHIV検査が出来るからね。
そして、その検査キットにも2種類あるんだよ。
●郵送式検査キット
採血は自分で行うが、それを郵送して専門機関で検査判定を行う。(登録衛生検査所による)
●自己検査キット
採血も検査判定も全部自分で行う。海外からの輸入品がほとんど。
この2種類だよ。
郵送式の検査キットは日本国内で製造販売する会社が凡そ10社ほどあるね。
(陽介)厚生労働省が使わないでって警告してるのは自己検査キットですね。
それじゃ郵送式の検査キットは問題なしって認めてるんですか?
(私)いや、残念ながら自宅で使える検査キットで、厚生労働省が認可しているものは1つもないよ。
全て自己責任の上で使うことになるね。ただし、厚生労働省の関連サイトにおける表現はそれぞれ微妙に違うんだ。
(陽介)どういうことですか?
(私)うん、こんな感じだね。
●郵送式検査キット
HIV検査を受ける選択肢の1つではある。
●自己検査キット
自己検査キットの使用はお勧めできません。
どうだい?
微妙に扱いが違うだろう?
厚生労働省では、HIV検査は極力保健所に行くように勧めてるんだけど郵送式の検査キットは選択肢の1つではあると言っている。
むろん、認可はしてないから自己責任であるとは注意してるけどね。
実際のところ、郵送式HIV検査キットについてはすでに厚生労働省の方で信頼性の調査がやられてて、保健所のHIV検査と同等であることが分かってる。
だから選択肢の1つ、という表現だと思うよ。
同様に自己検査キットも調査が行われていて、その上で使わないように警告してるんだ。
詳しい理由はさっきの関連サイトを見てご覧。そこに書かれてる。
(陽介)なるほど。自宅で検査結果まで分かるという便利さで利用する人が多いけど、肝心の信頼性や安全性に問題があるんですね。
(私)そうだね。それで、私が実際に自己検査キットを使用したユーザーのレビューを調べてみたんだよ。
ある自己検査キット販売サイトに82件のレビューが寄せられていて、何とその22%にあたる18件にクレームが見つかった。
(陽介)え~!22%っていうと、5人に1人以上じゃないですか。
いったいどんなクレームだったんですか?
(私)それはね、ランセットに関するクレームだった。
(陽介)ランセットって何ですか?
(私)自分で血液を採取するためのツールだよ。
ほら、この写真を見てごらん。
この写真のように、指にランセットを押し当てるんだ。
すると中から小さい、細い針がほんの少しだけ飛び出る。そして針はすぐまた中に入ってしまう。
たった1回だけ出てくる仕組みになっていて、再利用は出来ない。
(陽介)なるほど、針で傷をつけてそこから採血するんですね?
(私)そうだよ。採血といってもこんなふうにろ紙に血液を吸い取らせるんだけどね。
(陽介)分かりました。要するにランセットは指から微量の血液を出血をさせるために、1回だけ針が出てくるツールなんですね。
(私)そうなんだよ。単純と言えば単純なツールなんだけど、指に傷をつけるのでそれなりの配慮は必要だよね。
(陽介)それで、このランセットについてどんなクレームが起きてるんですか?
(私)うん、一番多かったのは針が出て来ないというクレームだね。
(陽介)え~!針が出て来ない?
それじゃ採血出来ませんね。
(私)だけど利用者にしてみたら、せっかく検査キットを購入したんだからもったいない話だよね。
それで多くの人はランセットを壊して中から針を取り出して刺してる。
あるいは、ランセットをあきらめて他から裁縫用の針などを持って来て刺してる。
(陽介)わぁ~、それはまた怖い話ですね。
(私)確かに怖いね。元々、針が1回しか出て来ないようにしてるのは再利用を防ぐためだよ。
誰かが使った後で別の人が使うことのないようにしてる。
HIVに限らず、ウイルス性肝炎なんかも針刺しで感染するからね。
(陽介)でもおじさん、そんな22%もの人がレビューに書き込むくらいなら、メーカーも対応してるんじゃないんですか?
(私)普通の常識から考えるとそうだね。でも、そこが自己検査キットの怖いとこさ。
自己検査キットは全て海外からの輸入品であり、販売サイトは個人輸入を代行してるだけなんだ。
(陽介)つまり、そんなクレーム品を購入したのも全て自己責任ってことですね?
(私)そういうことになるね。
ランセットにこんなクレームが多いことからしても、自己検査キットの信頼性や安全性に疑問を感じるのは自然なことだね。
ランセット以外は大丈夫かって不安になるよね。
(陽介)本当にそうですね。
(私)ランセットについては針が出ないというクレームの他にも、今度は最初から針が出ていたとか、説明書と現物が一致しないとか、そんなクレームも寄せられてる。
(陽介)おじさん、ランセットについて国産の郵送検査キットではそんなクレームはないんでしょう?
(私)私が知る限りでは1件もないね。
第一、国内の検査キットに付属しているランセットは医療機器としての承認を受けている。
どこの検査キットも公式サイトに医療機器として認可された番号が載っているよ。
例えば、STD研究所にはこんな感じで載っている。
だからそんなクレームは起きないと思うよ。
それにさっき国内の郵送式検査キットが国の認可を受けていないと説明したよね?
でも、採血ツールは今言ったように医療機器の認証を受けている。
そして実際にHIV検査を行うのはどこの検査キットも登録衛生検査所であり、ここは厳しい条件をクリアして国の認可を受けた検査機関だからね。
そう言う意味での安心感はあるよ。
輸入品のHIV自己検査キットとは安心感が違うよね。ランセット問題だけでなく、HIV検査全体の信頼性が違う。
それじゃ今回はこの辺にしておこうか。陽介の疑問は晴れたかい?
(陽介)はい、分かりました。やはりHIV検査を受けるなら、まずは保健所ですね。
どうしても自宅で受けたいなら自己検査キットじゃなくて郵送式の検査キットを使うことですね。
(私)そういうことだね。ではこれで終わりにしよう。
(陽介)ありがとうございました。
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