8年前のあの日のこと
私が初めてHIV検査を受けたのは2009年の年末。
それも大晦日の前日でした。
初めて使った郵送式のHIV検査キットでした。
検査結果が出たのは正月、三が日が明けてからでした。
従って大晦日も元旦も検査結果を待つ身で過ごしました。
長い人生、あんなに辛く苦しい年越し、お正月はありませんでした。
何しろ自分ではほぼ間違いなくHIVに感染していると思っていましたから。
それが正月明け、検査結果が出て見ると・・・
何と「陰性」でした。
あの時の喜びは今でも忘れることが出来ません。
恥ずかしい話ですが、あまりに嬉しくて涙が出ました。思わず泣いてしまったのです。
あれからもう8年目。
でも、昨日のことのように覚えています。
そして今・・・
あの初めてのHIV検査から、いったい今日までに私はHIV検査を何度受けてきたでしょう。
いえ、その後も遊び回って危険行為を繰り返した訳ではありません。
むしろその逆です。
あの日以来、もうこんな辛い目には二度と合いたくない、そう思ってHIV感染には万全の予防に徹してきました。
それでも私は何回かHIV検査を受けてきました。
保健所のHIV検査にも行ったし、郵送式のHIV検査キットも使いました。
それは自分がHIV感染の予防をしていることの確認でした。
あの2009年のHIV検査をきっかけに、当サイトを始めHIVやエイズ関連のサイトをいくつも作りました。
そしてHIV感染やエイズに関する情報発信を8年間続けてきました。
私自身、HIVやエイズに関する専門書を読み、有料の論文を手に入れ、学んできました。
そうした知識、情報が増えるに従って、
「定期的にHIV検査を受けよう。」
と言う思いが強くなっていきました。
どんなに予防策を講じていても、人のやることに100%完全はありません。
万が一、と言うことは起こり得るのです。
正直、私の胸の奥にはいつも不安があります。
「まさかHIVに感染していないだろうな・・・」
と言う不安です。
HIV感染に気を使い予防していても不安は消えません。
心配性で気が小さいゆえかも知れません。
この不安を確かめる唯一の方法がHIV検査なのです。
私にとってHIV検査は、HIV感染予防の確認なのです。
当サイトで何度も繰り返し書いてきたようにHIV感染は症状の有無からは分かりません。
決定的な症状が出たときにはすでにエイズを発症しています。
それだけは避けたい、どんなことがあっても避けたい、そう思っています。
私がどんなに万全を尽くしている積りでも、針の穴ほどの可能性をすり抜けてHIVに感染していたら・・・
早期のHIV検査以外に私が救われる道はありません。
だから私は今でも定期的にHIV検査を受けているのです。
この先、私が完全に性行為から無縁になる日まで、ずっとHIV検査を受けることでしょう。
2009年、深刻なHIV感染疑惑の中で読んだある本にこう書いてありました。
『あなたが、誰かと一度でも性行為を行えば、それはりっぱなHIV検査を受ける理由となります。』
だから私はこれからもHIV検査を受けるのです。
どんなに予防策を講じていてもです。