HIVに感染してからエイズ発症までの期間を無症候期と呼びます。
この期間は感染直後を除いて何も自覚症状が出ない時期とされており、本人も気づきません。
何年にも及ぶ無症候期を経てやがてエイズ指標疾患を発症し、エイズ患者となってしまいます。日本ではここ数年、新規にHIV感染者として報告された人の30%以上が自分のHIV感染に気付かずエイズを発症しているのです。
しかし、無症候期と呼ばれる期間にも、何かの変化、異常が現れることがあります。その時点でHIV感染に気付けば、まだエイズ発症を防げる可能性があります。
(甥っ子陽介)おじさん、HIVに感染してからエイズになるまで、何にも自覚症状って出ないんですか? |
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(私)陽介、いい質問だね。それは個人差が大きいけど、中にはいろんな変化、異常を感じる人もいるんだよ。 |
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(陽介)そうなんですか。例えばどんな変化や異常ですか?
(私)うん。一般的にはこんな症状が言われているね。
●長期間に及ぶ発熱、または繰り返す頭痛
●異常な寝汗
●リンパ節が腫れる
●ダイエットなど、特に理由もないのに急激な体重の減少(2ヶ月で10%以上)
●下痢が長期間続く
●貧血、白血球、血小板の減少
●吐き気・嘔吐が続く、繰り返す
●倦怠感、あるいは異常に疲れやすくなる
こうした症状をエイズ関連症候群と呼ぶこともあるね。
(陽介)そうなんですか。これらのエイズ関連症候群の先にエイズの発症があるんですね。
(私)そうだよ。HIV感染に気付かず、そのままだとやがて免疫力は更に低下し、エイズ指標疾患に指定された日和見感染症を発症し、エイズとなるんだ。
(陽介)でもおじさん、エイズ関連症候群って、1つ1つを見れば誰でも経験しているような、特別なものじゃないですね。僕だって寝汗をかくこともあるし、2,3日下痢が続くこともありますよ。
(私)そうだね。ただエイズ関連症候群の場合はもっと長期間症状が続くんだ。だけどただちにHIV感染を疑うのは難しいかも知れないな。
しかし陽介、これまでにもHIV感染症の症状については色々と話してきたよね。急性HIV感染症や、HIV感染に伴う皮膚疾患も話したよね。
(陽介)はい。教えてもらいました。
(私)それを思い出して欲しいんだけど、急性HIV感染症の症状って、どんなものだった?
(陽介)えーっと、確か頭痛、発熱、のどの痛み、下痢、などですよね。
(私)そうだ。それって、だたの風邪や体調不良とみわけがつかないね。
(陽介)そうでした。その説明のときにも見分けがつかないって話でしたね。皮膚疾患も同じですね。帯状疱疹や脂漏性皮膚炎などはHIVに感染しなくても発症するし。
(私)そうなんだ。だから結局、HIV感染によって現れる症状はどれも特有の症状とは言えず、それだけでHIV感染を判断することは不可能なんだよ。エイズ関連症候群もまた同じだ。
医者だって頭痛、発熱、皮疹、帯状疱疹からすぐにHIV感染を疑って検査するとは限らない。他の検査と違ってHIV検査はデリケートな部分もあるしね。
(陽介)ということは、やはり心配になったらHIV検査を受ける、ってことですか。
(私)そう。最後はやっぱりそこに行き着いてしまうね。医師がHIV検査を勧めなくても、自分で不安を感じていたら自らHIV検査を受けることだね。それが確実な方法であり、また唯一の確認方法でもある。他に確かめる手段はないんだ。
(陽介)それじゃ、エイズ関連症候群が不安な人は早くHIV検査を受けるってことですね。
(私)その通りだよ。ついでに言うなら、HIV感染からエイズ発症までの潜伏期間、すなわち無症候期間は短くなっている。気になったまま放置しているといきなりエイズのリスクが大きいよ。
(陽介)おじさんがいつも言ってる、早期のHIV検査は救命的検査、ってことですね。
(私)よく覚えてるじゃないか。まさにその通りだ。気になる症状があったら、ぜひHIV検査を受けて欲しいね。それじゃ今回はここまででお終いだよ。
(陽介)おじさん、よく分かりました。
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補足資料
①いきなりエイズの割合
厚生労働省エイズ動向委員会の発表では、ここ数年国内で新規にHIV感染者として報告された人の30%以上がすでにエイズを発症しています。よく言われる「いきなりエイズ」状態です。
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