もしもあなたがHIVに感染すると、感染初期に急性期の症状が現れ(症状がない人もいます)、そこから数年間の無症候期に入ります。
しかし、この無症候期も全く何も症状が出ないかと言えば、ある程度症状が出る人もいます。
では、無症候期にどんな症状が出るのか、私の調べたことを甥っ子の慎太郎に話したいと思います。
あなたもごいっしょに聞いて下さい。
なお、今回の記事作成にあたり、この本を参考にさせて頂きました。
『HIV診療の「リアル」を伝授します』 丸善出版
(甥っ子慎太郎)おじさん、HIV感染症の無症候期って、何も症状が出ないんですか? |
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(私)慎太郎、症状が出ないから「無症候期」って言うだろ?おかしなこと聞くね。 |
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(慎太郎)う~ん、それは確かにそうですよね。何も症状が出ない時期だから「無症候期」って呼ぶんですよね。
(私)そうだよ。そこで症状が出たら無症候期とは言わないだろう。
(慎太郎)でもおじさん、最近僕が読んだ本には、HIV感染の無症候期にも現れる症状があるって書いてました。
(私)ほほ~。どんな症状だい?
(慎太郎)それが具体的な症状までは載ってなくて・・・。それでおじさんに聞いてみようと思ったんですよ。
(私)そうか。
(慎太郎)僕が読んだ本に書いてあったことはウソですか?
(私)いや、ウソじゃない。私がこれまで読んできたHIVやエイズ関連本の中にも、無症候期に現れるいくつかの症状について書かれた記述があったよ。
(慎太郎)え!そうなんですか!やっぱり?
(私)むろん、無症候期に出て来る症状だから、
●当然だがエイズ指標疾患ではない。
●無症候期の感染者全員に症状が出る訳ではない。何も症状が出ない人もいる。
●HIV感染特有の症状ではなく、他の要因でも発症する。
こんな感じだね。
(慎太郎)それって、急性期に現れる症状と似てますね。
『これって、HIV感染症の初期症状かな?』で教えてもらいました。
(私)そうだったね。私が調べたところ、急性期によく見られる発熱や皮膚疾患などは、無症候期にも見られるとされている。
(慎太郎)そうなんですか。原因不明の発熱、微熱が続くといった症状はある意味危険ですね。
(私)少なくとも、HIV感染の心あたりがある人にとってはHIV検査を受けるきっかけにして欲しいよね。
(慎太郎)他には無症候期に見られる症状ってあるんですか?
(私)そうだね。比較的多く指摘される症状として、先ほどあげた皮膚疾患以外では原因不明の倦怠感があるね。
(慎太郎)倦怠感ですか?う~ん・・・それも分かりにくいですね。単なる体調不良とか、ストレス性とか、いろんな原因が考えられますよね。
(私)確かにね。あるいは肝機能障害でも倦怠感が出ることがあるね。だからいつも言ってるようにHIV感染特有の症状なんて1つもない。
症状からHIV感染は分からないんだよ。ただ、あくまでも可能性の話であって、心当たりがあればHIV検査を受けて下さい、って話だね。
(慎太郎)なるほど。HIVに感染したかも知れない日から急性期を過ぎて、無症候期と思われる時期であっても用心すべきってことですね。
(私)その通りだね。それから、私が最近読んだ本によれば、無症候期に見られる症状として、
●TTT、ZTTの値が高くなる
●高総タンパク血症
がある。
(慎太郎)へえ?何ですか、それって。聞いたこともないんですけど・・・。
(私)そうだろうな。まず、TTTとZTTを説明しよう。
TTTとはチモール混濁試験、ZTTは硫酸亜鉛試験のことで、どちらも肝機能検査でよく使われる試験だね。
●TTT(チモール混濁試験)
血液中のたんぱく質の性質を知るコロイド反応(膠質反応:こうしつはんのう)という検査の中の一種類。
TTTが正常値より高いと、急性・慢性肝炎、高脂血症、膠原病、脂肪肝、肝硬変などの可能性がある。
●ZTT(硫酸亜鉛試験)
同じく膠質反応による試験で、ZTTが高いと肝硬変、急性・慢性肝炎、肝がん、膠原病、骨髄腫、悪性腫瘍などの可能性がある。
どちらも肝機能障害の指標によく使われるね。
(慎太郎)それらな、先ほどの倦怠感、という症状とも話が合いますね。
(私)そうだね。
(慎太郎)では、高総タンパク血症って何ですか?
(私)私たちの血液中のタンパク質の総量は、健康な人ならある一定の幅に収まってるんだ。その幅から外れて総量の値が高くても低くてもどこかに異常がある、病気になってる可能性がある。
この総タンパク質の量が多過ぎる場合を「高総タンパク血症」と言い、少な過ぎる場合を「低総タンパク血症」と言うんだよ。
どちらの症状でも主に肝臓や腎臓の疾患が疑われるんだ。
(慎太郎)なるほど。するとHIV感染者の無症候期には、「高総タンパク血症」が現れるんですね?
(私)いや必ず高くなるということじゃなく、そういうケースもあるってことだね。
だから私の読んだ本では、
『TTT、ZTTなどの膠質反応の値が高い場合や高総タンパク血症がHIV感染診断のヒントになることがある。』
と書かれてあるよ。
(慎太郎)ヒントになることもある、ってことですね。やはり最後はHIV検査でないと分からないってことですか。
(私)むろんその通りだね。先ほどから説明しているTTTやZTTの値が高い場合や高総タンパク血症も、考えられる原因の中にはHIVなんて全く出てこない。
主には肝臓の病気であったり、腎臓の異常だったりが考えられる。
(慎太郎)ふ~ん、それじゃなぜHIVに感染するとそうした症状になるんですか?
(私)それは分からない。私が読んだ本にもなぜそうなるのかは書かれていない。
原因は分かっていないけど、現実にはそうしたケースが存在するってことなのかも知れないね。
(慎太郎)でもおじさん、肝臓や腎臓の専門医がさっき説明してくれた症状からHIV感染を疑いますかね?
(私)いやぁ、それはどうかな。例えば繰り返し再発する口腔カンジダとか、帯状疱疹とか、そんな頻度の高い症状なら疑う医師もいると思うけど、TTTやZTTなどからHIVを疑う医師がどれだけいるかは・・・分からないね。
(慎太郎)でも、おじさんが読んだ本ではそれらの症状がヒントなるって書いてあったんでしょう?
(私)そうだよ。でも、本を書いた人達が東京医科大学病院の医師だからなぁ。東京医科大学病院と言えばエイズ治療の拠点病院の1つだからね。
(慎太郎)それじゃHIVやエイズについて専門家の医師がいる訳ですね。普通の内科や循環器科の医師が同じような感度で診れるとは限りませんね。
(私)まぁ現実問題としてはそうだろうね。
(慎太郎)結局、無症候期にみられる症状があると言っても、だからそれでHIV感染が見つかる訳じゃないんですね。
(私)その通り。HIV感染が分かった後でこんな症状も見られたね、という結果論だね。
(慎太郎)という事は、毎回おじさんが言ってるみたいに、
「少しでもHIV感染を不安に思ったらHIV検査を受ける。」
ってことになるんですね。
(私)その通り。普通に考えると、急性期を過ぎて無症候期に入ってるHIV陽性者は、まず自分がHIVに感染しているかも知れないって思ってない事が多いだろうね。
(慎太郎)不安に思えばHIV検査を受けてるはずですもんね。
(私)そうだよ。しかし、無症候期は何年続くか全くわからない。もしも無症候期の最後の方にさしかかっていれば、すぐにエイズを発症するかも知れない。
(慎太郎)なんとかエイズ発症前にHIV検査を受けて、エイズを防ぎたいですね。
(私)そうだね。いずれにしても自分で「今はHIV感染の無症候期」なんて分かるはずないから、積極的にHIV検査を受けるしかないね。
(慎太郎)原因がはっきりしない発熱、継続する微熱、皮膚疾患、そして倦怠感などを感じたら要注意ですね。
(私)そうだね。HIV感染の不安があれば出来るだけ早くHIV検査を受けて欲しいね。
では今日の話はここまでにしようか。
(慎太郎)はい。今日はどうもありがとうございました。
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