つい最近、ネットの相談サイトで見つけたHIV検査の記事からご紹介したいと思います。

私も知らなかった、

「確認検査に対する、意外な保健所と病院の違い」

について、甥っ子の慎太郎に話したいと思います。あなたもごいっしょに聞いて下さい。

(甥っ子慎太郎)おじさん、今日どんなお話ですか?
陽介
(私)慎太郎、今日はHIV検査における確認検査の話だよ。
私

(慎太郎)HIVの確認検査?それって、HIVのスクリーニング検査で陽性だったときに受ける検査ですね。

前に『HIV検査とは?検査の受け方とは? 』で教えてもらいました。

(私)そうだよ。その確認検査について、ネットの相談サイトでちょっと気になる書き込みを見たよ。

(慎太郎)へぇ、どんな書き込みですか?

(私)ある30代の男性からの相談なんだけど、その男性はこの1年間に病院で5回もHIV検査を受けたんだ。

(慎太郎)え~!5回もですか!

(私)そう、5回だ。そしてその5回のうち2回が陽性だった。

(慎太郎)はぁ・・・陽性・・・

(私)そうだ。でも、その陽性になった2回はどちらもいわゆるスクリーニング検査であって、まだHIV陽性が確定した訳じゃない。

まだ確認検査を受けていないからね。

その男性の相談と言うのは、果たして自分はHIVに感染しているのでしょうか、と言う相談なんだ。

(慎太郎)う~ん、ちょっと意味が分かりません。どうしてネットで相談したんでしょう?HIV検査を受けてるんだから、確認検査を受けて見れば分かるじゃないですか。

(私)そこだよ、問題は。その男性は、

「陽性が確定するのが怖くて、どうしても確認検査を受けられない。」

そうだ。

(慎太郎)そうですか・・・。

(私)だからスクリーニング検査で陽性になると別の病院でまたスクリーニング検査を受け直すんだそうだ。

(慎太郎)でもおじさん、その男性がもしも本当にHIV陽性だったら5回のスクリーニング検査で全部陽性になってるはずでしょう?

5回のうち3回は陰性なんだから、本当はHIVに感染していなくて、陽性になった2回が偽陽性ではないでしょうか。

(私)確かにね。

(慎太郎)その男性、ウインドーピリオドは過ぎてるんですか?

(私)それは大丈夫みたいだね。ここ数年は性交渉はないそうだ。

(慎太郎)それなら完全にウインドーピリオドは過ぎてて問題ないですね。偽陰性の可能性はないから、やっぱり陽性となった2回が偽陽性だと思うけどなぁ。

(私)まぁ、そう考えたくなるよね。でも、即日検査のHIV検査だと偽陽性の確率は100人に1人と言われているから、5回のうち2回も陽性になるとちょっと気にはなるよね。

(慎太郎)そうですね。その人が本当はHIVに感染していないとすると、偽陽性が出やすい体質なのかも知れませんね。

(私)まぁ、そこは何とも分からないけどね。

(慎太郎)でも最後は今までの経過を専門医に伝えて、確認検査までやってもらうしかないんじゃないですか?他にその男性の不安を晴らす方法はないと思いますけど・・・

(私)そうだね。私もそう思うし、ネットの相談サイトで回答した医師の皆さんもそう答えてる。

毎度のことだけど、HIVに感染しているかどうかはHIV検査を受けて確かめるしかない。

(慎太郎)そうですね。

(私)ただね、今回の男性の相談を読んでて思ったのは、保健所と病院の違いなんだよ。

(慎太郎)保健所と病院の違い?どういう意味ですか?

(私)今回の男性は5回とも別々の病院でHIV検査を受けている。これ、もしも最初から保健所に行ってたとしたらどうなっていたと思う?

(慎太郎)あぁ、そういうことですか。そうですねぇ・・・最初から保健所に行っていたら・・う~ん・・・。

検査結果が陰性の場合だったら保健所でも病院でも同じですね。そこで検査終了ですものね。

問題はスクリーニング検査で陽性だった場合ですね。

(私)その通り!問題はスクリーニング検査で陽性だった場合だよ。

(慎太郎)保健所ならスクリーニング検査で陽性だった場合にそこでお終い、なんてあり得ないでしょう?

必ずそのまま確認検査に入るじゃないですか?

(私)そう、その通り。私が調べた限りでは、保健所でスクリーニング検査する時に初めから確認検査まで見込んで採血することもある。

(慎太郎)なるほど。万一に備えてってことですね。

(私)そうだよ。即日検査なら100人に1人の確率で偽陽性が出るからね。最初に確認検査の分まで採血するのはアリだよね。

(慎太郎)最初に確認検査の分まで採血してなかった場合はどうなるんですか?

(私)その場合はスクリーニング検査で陽性を伝えるときに、確認検査を説明して再度採血する。

別に本人が「確認検査をして下さい。」と依頼しなくても、保健所の方でやってくれる。

(慎太郎)なるほど。そこが病院との違いって訳ですね。

(私)そうなんだよ。冒頭の男性のケースで言えば、スクリーニング検査で陽性判定が出た2回とも、男性は確認検査を受けていない。

病院側も本人から確認検査の依頼がないとやらないってことだね。

(慎太郎)なるほど。保健所は無料ですけど、病院じゃ有料だし、全額自己負担ですもんね。検査費用が発生するから病院の判断でかってに確認検査まではしないんですね。

(私)まぁ、中にはスクリーニング検査で陽性だった場合にはすぐに確認検査まで行う病院もあるかも知れないけど。

そんな病院ばかりじゃないだろうね。現に先の男性の場合は確認検査をやっていないからね。

(慎太郎)なるほど。今まで保健所のHIV検査と病院のHIV検査の違いって、匿名性と有料、無料の差だけかと思ってました。

実はスクリーニング検査で陽性だった場合の対応も異なる訳ですね。

(私)そういうことになるね。

(慎太郎)でもおじさん、今回の男性は5回もHIV検査を受けているけど、たった1回でもいきなり陽性判定が出れば確認検査を受けるのが怖いと思う人はいるでしょうね。

(私)それはいると思うよ。普通に考えれば怖いと思うのは当然だよ。だから保健所にしろ、病院にしろ、スクリーニング検査陽性の告知は非常に気を使うよね。

決してまだHIV陽性が確定した訳じゃないことをしっかり伝え、万一陽性が確定しても薬の治療でエイズ発症を防ぐことが出来るってことも伝える。

(慎太郎)今回の男性みたいに確認検査を怖がって受けない人を防ぐためですね。

(私)そうだね。厚生労働省の全国保健所調査によると毎年、HIV検査を受けたのに結果を聞きに来ない人が何人もいる。

中には検査結果が怖くて聞きに来れない人もいるかも知れないね。

(慎太郎)そうですね。

(私)偽陽性については保健所でも病院でも丁寧に説明はしてくれると思うけど、私たちも事前に偽陽性のことは知っておいた方がいいね。

全く予備知識なしにスクリーニング検査の結果を聞くのと、知ってて聞くのじゃえらい違いだと思うから。

(慎太郎)それは絶対に違いますね。

(私)それでも陽性だって言われたら動揺もするだろうし、怖いよね。当然だと思う。

でも、そこを何とか乗り越えて確認検査を受けて欲しいね。それ以外に先に進む道はないからね。

(慎太郎)そうですね。

(私)まぁ、とにかく今回のネットの事例で分かったことは、病院では自動的に確認検査まで行かない場合もあるってことだ。

もしかしたら、自動的に行かない病院の方が多いのかも知れない。

(慎太郎)そうですね。だとすると、僕たちが病院でHIV検査を受けるときは、確認検査が必要なる場合も考えておく必要がありますね。

(私)その方がいいね。そしてそれは保健所でも言えるね。さっきも言ったけど、HIV検査の結果を聞きに来れない人がいるからね。

(慎太郎)分かりました。

(私)それじゃ今日の話はこれでお終いにしよう。

(慎太郎)はい。おじさん、ありがとうございました。

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