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『血中HIVの完全除去に世界で初めて成功!』

こんな記事が2016年10月はじめからネット上で拡散しています。

これまで不治の病として恐れられていたHIV感染症もついに完治可能な病気になったのでしょうか?

今回、私が調べたことを甥っ子の慎太郎に話します。あなたもぜひ、ごいっしょに聞いて下さい。

(甥っ子慎太郎)おじさん、HIVが完全に駆除できるって本当なんですか?
陽介
(私)慎太郎、今大変ニュースになってるよね。実はまだ喜ぶのは早いかも知れないね。
私

(慎太郎)おじさん、まだ喜んじゃいけないんですか?

(私)そうだね。そもそも、今回のニュースってだいたいこんな内容だね。

1.44歳のイギリス人男性に新しい抗HIV治療が行われ、血中のHIVを完全除去できる可能性が出てきた。

2.新しい治療法を研究しているのはイギリスのオックスフォード大学、ケンブリッジ大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ、ロンドン大学キングスカレッジの研究者たち。

3.新しい治療法は2段階になっており、まずワクチンがHIVに感染した細胞を体に認識させて排除する。

次に、「ボリノスタット」と呼ばれる新薬で潜伏感染状態にあるT細胞を活性化させ、免疫システムに検知できるようにする。

4.現在、この治療法を50人に対して行っている最中であり、そのうちの1人が冒頭のイギリス人男性であり、治療後の血中からHIVは検出されていない。(残り49人については現在も治療中なのか記事にない。)

5.研究者の一人であるFidler教授は現状にはまだ慎重で、

「私たちはこれからも向こう5年間は治験を続けていきます。現時点では、この治療法を完成させるまで、まだまだ長い道のりがあります」

と話している。

色んなネットニュースを見て回ったけど、現時点で明らかになっているのは以上の5点だけのようだ。

(慎太郎)ふ~ん、問題は3番目ですね。新しい治療法でなぜ完治への道が開いたのか、そこを教えて下さい。

(私)それはね、以前に「HIV感染症はなぜ完治できないのか?」て話をしたよね。覚えているかい?

(慎太郎)え~っと、そうですね、そんな話をしてくれましたよね。

(私)あの時話したのは、

『HIVの一部はメモリーTリンパ球と呼ばれる寿命が長い細胞の中に潜伏感染している。じっと潜んで免疫細胞から攻撃されないよう隠れてる。』

ってことだったよね。

つまり、潜伏感染しているHIVがいるために、どうしても完全駆除することが出来なかった。

(慎太郎)はい、そうでしたね。HIVを全部駆除するのに73.4年もかかるって話でした。

(私)その潜伏感染したHIVを駆除するために「ボリノスタット」と呼ばれる新薬が働くんだね。

潜伏感染している細胞を活性化させ、免疫細胞がそれを見つけて駆除できるように仕向けるわけだ。

(慎太郎)なるほど。HIVがじっと隠れている細胞を目立つようにするってことですね。

(私)うん、そうみたいだね。

(慎太郎)でも、本当にこれでHIVは治るんでしょうか?

(私)それはFidler教授が言ってるように、これからまだ時間はかかるだろうね。

専門的なことはむろん私には分からないけど、必ず治ると信じたいね。

(慎太郎)それと今回ニュースになっている44歳のイギリス人男性ですけど、このまま血中HIVが消えたままだといいですね。

(私)そうだね。ただ、2013年にやはりエイズが完治したとして世界中でニュースになった赤ちゃんの例もあるからね。

(慎太郎)え!それってどんな話なんですか?

(私)詳しくはこっちの記事を読んで欲しいんだけど、要するに母子感染した赤ちゃんに、出産直後に抗HIV治療を行うことで母子感染が完治したと発表されたんだ。

つまり体内からHIVが検出されなかった。

しかし、実際には検出限界以下のウイルス量のまま潜伏感染状態が続いていて、その赤ちゃんが4歳のとき、再びHIV検査で陽性判定が出たんだよ。

残念ながら赤ちゃんは完治してはいなかった。

『世界で2例目?エイズが治った?』

『エイズ治癒の子供からHIV! 』

(参考記事は2件とも姉妹サイト「HIV検査完全ガイド」より)

(慎太郎)そうなんですか。それじゃ慎重にもう少し時間をかけて検証しないと分からないってことですね。

(私)そうだと思うよ。

(慎太郎)そのイギリス人の男性が世界発のエイズ完治者になって欲しいですね。

(私)そうだね。ただ、厳密に言えばすでに1人だけエイズから完治した人がいるんだよ。

(慎太郎)え~!ホントですか!それはすごいじゃないですか!どんな治療をしたんですか?

(私)それがね、かなり特殊な治療法で他のエイズ患者にもってわけにはいかないんだよ。

確か、2010年に大きなニュースとして報道されたと思うよ。

(慎太郎)へぇ、もう6年も前のニュースなんですね。

(私)そうなんだよ。それでね、患者の名前はティモシー・レイ・ブラウンさん(Timoth Ray Brown)と言う40歳代のドイツ人男性だった。

ブラウンさんはHIVに感染して10年以上になり、当初は普通に坑HIV治療を受けていた。

ところがブラウンさんは2006年に急性骨髄性白血病を発症したんだ。

この治療で2007年2月にドイツ人医師ゲロ・フッター氏は、ブラウンさんの白血病治療のために骨髄移植を行うことにしたんだよ。

(慎太郎)あちゃ~!HIV感染症のうえに白血病ですか。それは大変ですね。

でも、骨髄移植って、ドナー探しが大変なんでしょう?見つかったんですか?

(私)その通り。誰の骨髄でも移植できる訳じゃない。白血球の血液型が合わないとダメなんだよね。

だからただでさえドナー探しは大変なのに、このフッター医師はHIV耐性遺伝子を持つドナーを探したんだよ。

このドナーをどうやって見つけたのかは当時のニュースにも報じられていなかったけど、見つけるのは極めて難しかったと思うよ。

(慎太郎)HIV耐性遺伝子?

いつか「エリートコントローラーとは?」で話してくれた遺伝子ですね?

(私)そうだよ。HIVに感染してもエイズを発症しない特別な人の遺伝子なんだよ。

白人の中には1%しか存在しないらしい。その中から骨髄移植が可能なドナーを探したんだね。

(慎太郎)ひゃ~、よくまぁ見つかりましたね。

(私)それでね、移植手術を2007年に行い、翌2008年3月以降も何度か治療を繰り返したんだ。

そして抗HIV薬の投与を中止したそうだ。

それから3年半が経過した2010年の夏、HIV感染も白血病もまったく検査では正常だったそうだ。

結果的に、この移植手術でブラウンさんはHIV感染が完治したと言うことになっている。

(慎太郎)うわぁ、もう奇跡的ですね。HIV感染症と急性白血病の両方が一度に治ってしまうなんて!

(私)本当にすごいよね。

(慎太郎)それでブラウンさんはその後どうなったんですか?

(私)今も元気でいるらしい。2012年にはエイズ研究者支援のための基金を創立したというニュースも出てる。

「ティモシー・レイ・ブラウン(Timoth Ray Brown)」でネット検索してごらん。多数の記事が見つかるよ。

(慎太郎)すごいですね。でも、さっきおじさんが言ったみたいに他の人にも同じ治療をするってわけにはいかないですね。

(私)そうだね。ドナー探しが大変だし、世界でたった1例だから完治までのメカニズムも解明はされていないらしい。

(慎太郎)それじゃ他の患者に同じ治療は出来ませんね。

(私)そうだね。だから今のところ、世界中でただ一人、HIV感染症が完治した人なんだ。

今回ニュースになっているイギリス人男性が2人目となれば、今度こそ他の患者にも同じ治療が可能になるね。

(慎太郎)そうすれば不治の病だったHIV感染症も完治できますね。

(私)そう、大いに期待したいね。

(慎太郎)僕もそう思います。

(私)それじゃ今回の話はこれでお終いだよ。

(慎太郎)おじさん、ありがとうございました。

管理人注記:2017年8月19日

この記事を掲載してから凡そ10ヶ月が経過しました。その後この治療法がどうなったのか、新しい情報は入手出来ていません。

少なくともネット上では話題になっていないようです。

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