あなたもご存知の通り、HIV検査はスクリーニング検査と確認検査の二段構えになっています。

当サイトでは以前、

『HIVの確認検査ってどうやるの?』

と言う記事を掲載しました。

今回は確認検査に関する補足情報を記事にしてみたいと思います。

私の調べたことを甥っ子の慎太郎に話しますので、あなたにいっしょに聞いて下さい。

【今回のテーマと内容】

●テーマ:HIV検査における確認検査の補足情報

1.ELISA法とWB法のダブル偽陽性

2.HIV-2の検査

3.まとめ
(甥っ子慎太郎)おじさん、今日のお話は何ですか?
陽介
(私)慎太郎、今日はねHIV検査の確認検査を補足しようと思うんだ。
私

(慎太郎)HIV検査の確認検査ですか?

前におじさんが話してくれましたよね。

『HIVの確認検査ってどうやるの?』

このお話ですよね。

(私)そうなんだ。慎太郎に話してからいくつか補足情報を見つけたのでね、それをまとめて話したいと思ってね。

例えばこの本に色んな情報が書かれている。


『HIV/AIDS患者のトラブルシューティングとプライマリ・ケア』岩田健太郎編・南山堂

(慎太郎)そうですか。どんな追加情報ですか?

(私)まず、確認検査の偽陽性についての話だ。

そもそもHIV検査が二段構えになっているのは、最初のスクリーニング検査でHIVに感染していない人を振るい分けして、次に確認検査でHIV陽性者を確定させる。

そうだったね?

(慎太郎)はい、覚えています。スクリーニング検査はとても感度が高い検査なので、HIV感染の疑いがある人を見逃しません。

そんな感度の高い検査で陰性になれば、HIVに感染していないことが分かります。

その代わり、感度が良すぎて本当はHIVに感染していない人を陽性判定してしまうことがあるんですよね。

HIV検査を受けた人の0.3%~1%くらいの割合で偽陽性が発生するんでしたよね。

(私)そうだ。それでスクリーニング検査で陽性になった人が本当にHIVに感染しているかどうかを確かめるのが確認検査だね。

通常はWB法(ウエスタンブロット法)とNAT検査(核酸増幅検査)が行われる。

(慎太郎)はい、覚えてます。

確か・・

●ウエスタンブロット法
HIVを構成する全てのタンパク質に対する抗体を検出する。

●核酸増幅検査法
HIVのRNA遺伝子を抽出し、それを人工的に増幅させて存在するかどうかを検査する。

でしたよね。

(私)そうだったね。そこでまず、補足情報その1だ。

スクリーニング検査で偽陽性になって、確認検査のWB法でも偽陽性が出る確率はいくら?

慎太郎、どう思う?

(慎太郎)え!

確認検査でも偽陽性が出るんですか?

それは困ります!

偽陽性を確かめる検査でまた偽陽性が出たら、確かめようがないじゃないですか。

(私)むろんそうだよ。最終的には偽陽性がないレベルで確定させるんだけど、1回の検査ではどうかって話だよ。

スクリーニング検査がELISA法、確認検査がWB法だった場合、両方とも偽陽性になる確率はどうだろう?

(慎太郎)うーん・・・どうでしょうか・・・。

スクリーニング検査単体で0.3%~1%だから・・・ズバリ、0.001%くらいじゃないですか?

(私)なるほどね。かなり小さいね。10万人に1人って確率か。

(慎太郎)正解はどうなんですか?

(私)さっきの本によると、14万分の1だ。

つまり、0.00000714であり、0.000714%ってわけだね。

100万人中7人って確率だ。慎太郎、いい線ついてたな。

例えば、保健所でHIV検査を受ける人は年間におよそ13万人ほどいる。

偽陽性が1%発生するとして、1,300人。

この偽陽性1,300人がWB法を全員受けたとすると、ここでも偽陽性になる人数は、

1,300×0.00000714=0.009282人

ってことだね。

(慎太郎)なるほど。限りなくゼロに近いと思っていい訳ですね。

(私)そう言うことだね。

確認検査においてELISA法、WB法両方で陽性になればHIVに感染していることが確定する。

(慎太郎)なるほど。分かりました。

(私)実際の確認検査ではスクリーニング検査陽性、WB検査で陰性の場合もある。

この場合、HIVが感染初期のケースもあり得るので、NAT検査(核酸増幅検査)も併用し、抗体検査のウインドーピリオドを補っている。

では、次の補足情報はHIV-2についての情報だ。

確認検査におけるHIV-2の扱いはけっこうやっかいなんだ。

(慎太郎)そうなんですか。

以前に、『HIV-2の検査はどうする?』って話を教えてもらいましたね。

(私)そうだったね。

そもそも、HIV-2は日本では過去に10件以下の報告しかない。

私が調べたところ、5件とする記事から8件とする記事まであったけど、少なくとも10件以下であることは間違いない。

一方、日本では2016年末でHIV感染者の累計は27,443人で、その中でHIV-2は10人以下だ。

従って日本のHIV感染は、圧倒的にHIV-1なんだよ。

(慎太郎)僕の友達でHIVには2種類あるって知ってるやつはほとんどいません。

(私)そうだろうね。実際、私たちがHIV検査を受けに行くとき、HIV-2を意識して行くことはまずないよね。

(慎太郎)でもおじさん、確認検査ではHIV-2の扱いがけっこうやっかいなんでしょう?

(私)そうなんだよ。それと言うのも、HIV検査の中にはHIV-1しか検査出来ないものがあるからね。

(慎太郎)はい、それは以前から教えてもらってます。

HIV抗原検査、それにNAT検査は通常HIV-1のみですよね。

(私)そうだ。

例えば、スクリーニング検査でHIV陽性、そして確認検査でWB法が陰性になった場合。

これはさっきも説明したけどHIV感染の初期状態も考えられるのでNAT検査を行う。

しかし、NAT検査はHIV-1のみしか検査出来ないのでここで陰性になっても、まだHIV-2の初期感染の可能性が完全には否定できない。

そこで先ほど紹介した本にも出て来るんだけど、いかにしてHIV-2の可能性を検査するか、苦労するわけだ。

(慎太郎)へぇ、どうやるんですか?

(私)まず確実なのはHIV-2のNAT検査をやること。

これは普通の医療機関では不可能なので、研究機関に依頼して検査してもらう。

あるいは、HIV-2のWB法検査を行う。

(慎太郎)HIV-2のWB法なんてあるんですか?

(私)WB法ではHIV-1とHIV-2の両方を検査出来るんだけど、HIV-2の検査だけを行うことも出来るんだよ。

詳しく説明すると難しいけど、検査条件の設定をHIV-2だけにするんだ。

(慎太郎)ふーん、そんなことが出来るんですか。

(私)そのほか、2週間以上の間を置いて再検査を行うこともある。

これはHIV-2の抗体生成を待っての再検査だね。もしもHIV-2に感染していれば抗体検査で見つかる可能性が高い。

(慎太郎)なるほど。単純だけど確実な方法ですね。

(私)先ほども説明したけど日本でHIV-2の可能性は極めて小さい。

でも、万が一、HIV-2に感染しているとHIV-1とは治療法が違うからね。

と言うか、実はHIV-2の治療ガイドラインはまだ確立していないそうだ。

(慎太郎)そうなんですか。

ちなみに、今までHIV-1とHIV-2の重複感染は報告された事例があるんですか?

(私)日本ではまだないよ。私が調べたところ、HIV-2に感染しているとHIV-1には感染しにくいという記事もあった。

(慎太郎)そうなんですか。

(私)ともかく、HIV検査の確認検査においてはHIV-2の確認に非常に気を使う訳だ。

特に検査を受けた人が感染した可能性から3ヶ月未満の場合だね。

HIV感染の急性期だと本当は感染していても抗体検査で陰性になってしまう可能性がある。

(慎太郎)そこでNAT検査をしたり、時期をあけての再検査などを行う訳ですね。

(私)その通りだ。

また、HIV-1とHIV-2では類似した抗原があるため、WB法でHIV-1とHIV-2を誤判定する場合もあるらしい。

(慎太郎)うわ!それはまずいですね。

(私)誤判定の可能性がある場合は一般の医療機関ではなく、研究機関での判定が必要だ。

(慎太郎)確認検査でHIV-1かHIV-2か、確定させるのは難しい場合もあるんですね。

(私)そうなんだよ。むろん、検査を受ける側の私たちがその難しさを知る必要はないけどね。

あくまでも検査してくれる医療機関がどうやるかって話だからね。

(慎太郎)はい、分かりました。

(私)では今日の話の要点をまとめてもらおうかな。

(慎太郎)はい。

●スクリーニング検査でELISA法、確認検査でWB法を用いた場合、両方が偽陽性である確率は13万分の1であり、限りなくゼロに近い。両方で陽性になればHIV感染が確定する。

●HIV感染の急性期にはHIVに感染していてもWB法で陰性になる可能性がある。NAT検査を併用して検査する。

●通常のNAT検査ではHIV-1しか検査出来ないため、HIV-2の検査については研究機関に依頼したり、期間をあけての再検査などを行う。

こんなところでしょうか。

(私)それじゃ今回はこの辺で終わりにしよう。

(慎太郎)おじさん、ありがとうございました。

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