あなたが、
「もしかしたらHIV感染の初期かも知れない・・・」
と不安に思ったとき、注意して欲しいことを2つお伝えします。
あなたのHIV検査のきっかけにして頂ければ幸いです。
では、私が調べたことを甥っ子の陽介に話しますので、あなたもいっしょに聞いて下さい。
(甥っ子陽介)おじさん、今回のお話しは何ですか? |
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(私)陽介、今日はHIV感染の初期かも知れないと思ったときに注意することを説明しようと思う。 |
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(陽介)それは以前に「これって、HIV感染症の初期症状かな? 」で教えてもらいましたよね。
(私)そうだったね。今回の話はその補足というか追加情報だね。前回の話と合わせて知ってて欲しいな。
(陽介)そうなんですか。ぜひ教えて下さい。
(私)今回追加したい情報は2つあるんだよ。1つは、HIV感染急性期のHIV検査について注意すること。もうひとつは何かの自覚症状が出て病院にかかるときのHIV検査について。
(陽介)おじさん、それって何回もお話してもらった気がしますけど・・・。
(私)そうだね。過去に全く触れてこなかった話ではないね。ただ、少し角度を変えた話というか、情報源が別の話って感じかな。
今回の話の情報源は『医療機関で発見するHIV感染症』(エイズ治療 研究開発センター)だよ。
(陽介)分かりました。それでどんなお話しなんですか?
(私)まず、急性期に受けるHIV検査についてだよ。もしも自分がHIVに感染しているのはないかと不安になって、しかもそれが危険行為から間もない時期でだったとする。
(陽介)ははぁ、つまり自分はHIV感染の急性期ではないかという疑いのある場合ですね。
(私)その通り。では陽介、その急性期に受けるHIV検査はどうする?
(陽介)え~っとですね・・・それはもう、何回も教えてもらいました。保健所や病院のHIV抗体検査だとHIV感染の可能性があった日から3ヶ月経過するのを待ちます。
でもHIV抗原抗体検査を行っている医療機関の中には2ヶ月でOKのところもあります。つい最近教えてもらった、『HIV検査の2ヶ月・3ヶ月問題、その真相は? 』ですね。
(私)そうだったね。その話で教えたのは、第三世代のHIV検査と第四世代のHIV検査の差だったね。実は先ほどの情報源には、実際にHIV感染の急性期にHIV検査を受けた場合の陽性率が載ってた。
こんな感じだよ。
●第三世代のHIV検査(抗体検査のみ) 陽性率 約40%
●第四世代のHIV検査(抗原・抗体検査) 陽性率 約90%
(陽介)うわぁ、随分と差がありますね。第四世代のHIV検査だと90%の陽性率なのに、第三世代のHIV検査だと40%なんですね。
(私)そうだね。第四世代のHIV検査ではHIV抗体の他にp24と呼ばれるHIVのたんぱく質の一部を見つける。このHIV抗原は抗体よりも早期に体内に現れるので急性期の検査ではとても有利なんだね。
(陽介)でもおじさん、HIV感染の急性期って、具体的にはどのくらいの時期なんですか?
(私)うん、情報源のサイトによるとHIV感染2週間から6週間くらいの間を指すようだ。けっこう幅があるから、当然2週目よりも6週目の方が陽性率は高いよね。ざっくり平均したら先ほどの数値になるって意味だと思うよ。
(陽介)なるほど。ということは・・・?
(私)そう、もしもHIV感染の急性期だと思われる時期にHIV検査を受けるなら、第四世代の方が信頼性が高いってことだね。そして必ず3ヶ月経過後に再検査を受けることが必要だ。
(陽介)分かりました。今まで第三世代と第四世代の違いが定量的に分からなかったけど、今回の数値データでかなりハッキリと違いがイメージできました。
どちらも100%ではないけど、できるなら第四世代のHIV検査の方がずっと信頼性が高いことがよくわかりました。
(私)それからもうひとつ。こんなデータが載ってたよ。国立国際医療センターで初診患者の73%にHIV感染を疑う症例があったけど、実際にHIV検査をして感染が見つかったのは全体の20%以下だった。
(陽介)え?どういうことですか?
(私)初診で訪れた患者さんの、73%には例えば梅毒やクラミジアなどの性感染症にかかった履歴があったり、帯状疱疹などの皮膚疾患があったんだね。
でも、そうした症例があったんだけどHIV検査をせずに、せっかく早期のHIV感染を見つけるチャンスを逃してしまった患者が多くいたわけだ。
結果的に20%の人しかHIV感染を見つけることが出来なかった。
(陽介)う~ん・・・。
(私)国立国際医療センターみたいなHIVやエイズの最先端を研究している医療機関でさえこれが実態なんだね。
また、こんなデータも載ってた。2003年から2006年に全国のHIV拠点病院に対した行ったアンケートで、
「性感染症の既往があるとき、HIVのスクリーニング検査を行いますか?」
という問いに、「行う」と回答したのはわずかに27%だった。
(陽介)そうですか・・・。3割にも満たないわけですね。
(私)そうなんだよ。ただ、データは2006年と古いから、現在ではもっと数字は改善されているかも知れない。
平成24年から『既往がある場合又は疑われる場合でHIV感染症を疑う場合は、健康保険が適用できる』ことになったしね。
(陽介)はい、それは『HIV検査に健康保険は使える? 』で教えてもらいました。
(私)しかし、この27%という数字が何を意味しているかと言えば、必ずしも病院で診察した医師が患者のHIV感染を疑うとは限らないってことだね。
(陽介)そうですね。僕なんかいつもおじさんのお話を聞いてると、病院で梅毒やクラミジアなんかに感染していることが分かれば、ほぼ100%HIV検査もするものだって思ってました。実際はそうじゃないんですね。
(私)むろんHIVまで検査することも多々あるだろうけど、しない場合もまた多くあるってことだね。
(陽介)せっかくHIV感染の初期段階で検査のきっかけがあったら、それは生かしたいですね。
(私)その通りだね。何しろエイズ発症前にHIV感染が見つかるのと、エイズ発症後にHIV感染が見つかるのでは予後が随分誓うからね。
(陽介)いつもおじさんが言ってる、「早期のHIV検査は救命的検査である」ってことでしょう。
(私)その通りだ。だから自分でHIV感染の不安や心当たりがあれば、医師がHIV検査を勧めなくても自分からHIV検査をお願いする、もしくは自力でHIV検査を受けることが絶対必要だね。
(陽介)本当ですね。
(私)それじゃ今回の話をまとめて終わりにしよう。エイズ治療 研究開発センターのホームページによると、
●HIV感染の初期において、第三世代のHIV検査による陽性率は約40%、第四世代のHIV検査では陽性率は約90%だった。
●全国のHIV拠点病院において性感染症の既往がある患者にHIV検査を行ったのは27%だった。
このデータから言えることは?
(陽介)はい、
●HIV感染の初期と思われる時期にHIV検査を受けるなら、第四世代のHIV検査を受ける。
●そしてHIV感染の不安や心当たりがあれば医師の指示がなくても自分でHIV検査を受ける。
ってことですね。
(私)その通り。では今日はこの辺で終わりにしよう。
(陽介)おじさん、ありがとうございました。
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