HIV感染症が恐ろしいのは感染すると免疫不全状態になり、様々な日和見感染症を発症してしまうことです。
人は誰でも免疫機能なしに健康状態を維持することはできません。
では、なぜHIVに感染すると免疫不全に陥ってしまうのでしょうか。
HIVが感染してから免疫不全に陥るまでのプロセスを甥っ子の陽介に説明しますから、あなたもいっしょに聞いてください。
(甥っ子陽介)おじさん、人間はどうしてHIVに感染すると免疫不全になってしまうんですか? |
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(私)陽介、それは一言でいえばHIVが一番重要な働きをしている免疫細胞を破壊するからだよ。 |
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(陽介)ふーん、HIVは免疫細胞を破壊するんですか。
(私)そうだ。この前、「HIVはなぜ皮膚から感染しない?」という話をしたよね。
(陽介)はい。そのお話に中で、HIVはCD4陽性Tリンパ球(ヘルパーT細胞)に感染するって教えてもらいました。
(私)そうだったね。そもそも人の免疫機能というのはとても複雑にできているんだ。
外部から入ってくるウイルスや細菌を見つけて退治したり、体の中で発生するがん細胞を退治したり、とにかく陽介や私が健康で暮らしていけるのは免疫機能のおかげと言っていい。
(陽介)そうなんですね。でも、その免疫機能って、人の体のどこにあるんですか?
(私)それはね、血液中の白血球にあるんだ。
(陽介)白血球ですか。中学時代の生物で習った記憶があります。
(私)人の血液は血球成分と液体成分に分かれる。その血球成分がまた白血球、赤血球、血小板の3つに分かれるんだ。
(陽介)あ~、ありましたね、覚えています。
(私)その白血球がまたまたマクロファージ、顆粒球、リンパ球の3つに分かれるんだよ。
(陽介)何だか段々ややこしくなってきましたね。
(私)まだまだこれからややこしくなる。そのリンパ球がまた3つに分かれていて、NK細胞、B細胞、T細胞とあるんだ。
(陽介)ひゃー、もう何が何だか分からなくなってきました。
(私)まだまだ!更にT細胞はヘルパーT細胞、キラーT細胞、サブレッサーT細胞の3種類あるんだ。
(陽介)お、おじさん!勘弁してください!さっぱり訳が分かりません。どこまで掘り下げるんですか?
(私)アハハハ、こんがらがったかい?分かりやすく図にしたものがあるから、これをご覧。
(陽介)おー!おじさん、この図は分かりやすいですね。なるほどです。
(私)これらの免疫細胞にはそれぞれ独自の役割があって、お互いに連携しながらウイルスや細菌を退治してくれるんだ。
中でもヘルパーT細胞が司令塔の働きをしているんだよ。
(陽介)そうなんですか。ヘルパーT細胞が他の免疫細胞に攻撃指令を出すんですね。
(私)その通り。ところがHIVというウイルスはこの肝心要のヘルパーT細胞に感染し、この中で自分のコピーを作ると同時に破壊するんだ。
(陽介)うーん・・・・本来ならHIVを退治するための司令塔に感染し、破壊するんですね。
でも、なぜHIVはヘルパーT細胞に感染するんですか?他にもたくさん細胞はあるでしょう?
(私)それはね、ヘルパーT細胞の内部に通じるドアにカギ穴があり、HIVはそのカギ穴にピッタリ合うカギを持っているからなんだ。
(陽介)えー!カギ穴とカギの関係なんですか!
(私)そうなんだよ。ヘルパーT細胞はCD4陽性Tリンパ球とも呼ばれるんだけど、細胞の表面にCD4レセプターというタンパク質の構造物があるんだ。
これがHIVからすると感染するための細胞を見分ける目印であり、カギ穴でもある。
(陽介)うーん、難しすぎてよく分かりません。そもそもCD4レセプターって何ですか?
(私)レセプターは受容体とも呼ばれ、その働きの1つは外部からの情報を受け止め、細胞内部へ伝えることだよ。
CD4レセプターの場合、司令塔として他の免疫細胞から情報を受け取る役目をしている。
(陽介)はぁ、レセプターってとても大事な役目なんですね。
でも、どうしてCD4レセプターに合うカギをHIVが持っているんですか?
(私)うーん、難しい質問だね。なぜHIVはCD4レセプターと合うカギを持っているのか?
HIVに限らずウイルスが感染するときは体内で標的とする細胞を探し出してカギを使って中に入り込むんだ。
ウイルスはどの細胞にも自由に感染できる訳じゃない。
自分が持っているカギと合う細胞にだけ感染できるんだよ。
(陽介)なるほど。CD4陽性Tリンパ球のカギ穴に合うカギを持っていたのがHIVだった、という訳ですか。
(私)そういうことだね。
だからHIVは免疫機能の中枢細胞であるCD4陽性Tリンパ球を見つけ出し、カギを使って細胞内に入り込み感染してしまう。
正直、おじさんもそれ以上専門的なことは知らない。
(陽介)はい。とにかくHIVが免疫機能の中枢細胞に感染する理由は分かりました。
(私)よし、それじゃ先へ進むよ。
CD4陽性Tリンパ球(ヘルパーT細胞)に感染したHIVは、自分のコピーを作るために宿主細胞であるCD4陽性Tリンパ球の増殖機能をたくみに利用するんだ。
(陽介)はい、「HIVはなぜ皮膚から感染しない?」でも教えてもらいました。
(私)そうだったね。それをもう少し詳しく教えよう。ちょっとこの図を見てご覧。
(陽介)はは~ん、なるほどです。HIVがCD4陽性Tリンパ球に取り付いて自分のコピーを作るプロセスですね。
(私)そうだよ。簡単に説明すると、
1.CD4レセプターを目印にCD4陽性Tリンパ球を見つけ、カギを使って中に入る。
2~4.HIVはRNA遺伝子しか持っていなので、逆転写酵素を使ってコピー情報を宿主細胞のDNAへ送り込む。
5.すると宿主細胞はHIVの指示通りにHIVの部品をどんどん作り出す。
6.大量に出来上がってくるHIVの部品を細胞内で組み立て、新たなHIVが大量に誕生する。
そして宿主細胞から飛び出し、次の新しい感染先を見つける。
HIVが大量に飛び出した後の宿主細胞は破壊されてもう機能しないんだ。
(陽介)はぁ・・・怖いですねぇ。
本来、HIVを攻撃して退治するはずの免疫細胞が、よりによってHIVのコピーを作るお手伝いをさせられ、しかも最後には破壊されてしまうなんて・・・。
(私)そうだ。そこがHIVの最も恐ろしいところだよ。
自分のコピーを大量に作りながら、同時に免疫細胞を破壊する。
免疫機能を奪っていくんだ。これがHIV感染症による免疫不全へのプロセスだよ。
(陽介)この憎たらしいHIVをやっつける方法はないんですか?
(私)残念ながら今のところ完全に全滅させて除去することは出来ないんだ。
でも、さっきの図にもあるHIVが自分のコピーを作る工程をじゃまして、コピーを作らせないようにする薬はあるんだよ。
(陽介)「エイズの治療とは?」で教えてもらったお話ですね。
(私)そうだよ。だからこれまでに何度も言ってきたけど、HIV感染症は早期に見つかれば薬の治療でHIVの増殖を抑え、免疫不全になることを防げるんだ。
(陽介)つまりエイズを防げるってことですね。
(私)その通りだよ。エイズはHIV感染症による免疫不全がもたらす日和見感染症の集まりだからね。
免疫不全を防ぐことが出来ればエイズも防げるんだ。
(陽介)なるほど、よく分かりました。
(私)では今回の本題である、HIVに感染するとなぜ免疫不全になるか、分かってもらえたかな?
(陽介)はい、おじさんよく分かりました。
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