HIV感染の判定はHIV検査を受ける以外に方法はありません。
これは当サイトでも何度となく繰り返し説明させて頂きました。
従って職場や学校、地域などで実施される一般的な健康診断ではHIV感染の有無は分かりません。
HIV検査の項目が入っていないからです。
しかし、健康診断の結果に何かの異常サインがあったとき、それがHIV検査へと結びついて早期のHIV感染発見に至ることはあり得ます。
今回は私が見つけたそんな事例を甥っ子の陽介に説明します。あなたもぜひごいっしょに話を聞いて下さい。
あなたのHIV検査のきっかけになれば幸いです。
(甥っ子陽介)おじさん、HIV感染の初期にトランスアミナーゼが上昇することがあるんですか? |
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(私)陽介、こりゃまたいきなり難しいことを質問するね。 |
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(陽介)そうですか?いや、この前おじさんが教えてくれたこの本にそんな説明が載っていたんですよ。
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「本質のHIV」 岩田健太郎訳 メディカル・サイエンス・インターナショナル
この本の急性HIV感染の説明ページに、検査所見として
『トランスアミナーゼの上昇 全員ではないが見られることがある。』
って書かれてるんですね。
これは今までに聞いたことがなかったのでおじさんに聞いてみようと思ったんです。
(私)なるほど。
(陽介)そもそもおじさん、トランスアミナーゼって何ですか?
(私)まずそこからの説明だね。トランスアミナーゼっていうのは、
『アミノ酸からアミノ基を取ってケト酸(2-オキソ酸)にし、アミノ基を他のケト酸に与えてアミノ酸にする酵素の総称。すべての生物体内に存在し、窒素代謝やアミノ酸合成に重要。』(goo辞書より)
とまぁ、こんなふうに説明されている。
(陽介)おじさん。悪いけど何のことだかサッパリ分かりません!
(私)そうだろうな。まぁ、分かりやすい具体例でいくと、血液検査でAST(GOT)、ALT(GPT)って指標があるのを知ってるかい?
(陽介)はいはい、知ってます。それ、必ず健康診断のときに検査するやつですね。
確か、肝機能の指標となる数値ですよね。肝臓に何か悪い病気があるとき、その数値で分かります。
(私)そうだね。このAST(GOT)、ALT(GPT)が代表的なトランスアミナーゼなんだよ。
(陽介)へぇ!そうだったんですか!
(私)もう少し詳しく説明しておくね。
●AST(GOT)
肝細胞が破壊されると血液中に多くなる酵素の1種。ただし、肝臓だけでなく、心筋、骨格筋、腎臓などにも含まれるため、ASTだけで肝臓の異常だと判定できない。
●ALT(GPT)
肝細胞にだけ存在する酵素で、これが血液中に多くなると肝細胞の破壊が進んでいることが分かる。
こんな感じで、主に肝機能を調べる検査で使われる指標だね。
(陽介)ふ~ん・・・そうなんですか。そしてこの2つの指標がHIV感染の初期に上昇することがあるってわけですね。
(私)それは私も今まで知らなかった。しかし、「本質のHIV」には確かにそう書かれてるね。
(陽介)はい。
(私)でもね、それでちょっと思い当たることがある。
(陽介)え?何ですか?
(私)東京都福祉保健局が発行している「たんぽぽ」という冊子をネットで読んだことある。
この中に会社の健康診断で肝機能異常を指摘されて、それがきっかけでHIV検査を受けて陽性が見つかった人のことが載っている。
(陽介)え~!本当ですか!
(私)本当だよ。ただ、具体的にAST(GOT)、ALT(GPT)という名称は出てこないけどね。
健康診断で異常が見つかって再検査を受けた時医者に、
「慢性肝炎になると数値が高くなるけど、そこまで高くないからまぁ心配要らないでしょう。」
と言われたそうだ。
ただし、こうも言われた。
「HIV陽性の場合にも数値が高くなることがあります。」
と言われて、この人はすぐに保健所でHIV検査を受けたんだね。そしたら検査結果が陽性だった。
(陽介)へぇ・・・そんなこともあるんですね。
(私)さっきも言ったけど、冊子の中でAST(GOT)、ALT(GPT)という名称は出てこない。
だけど健康診断で分かる指標、慢性肝炎になると高くなる指標と言えば、たぶんこの2つは含まれていると思うよ。
(陽介)そうなんですね。
(私)実は私自身も会社の健康診断で異常が見つかり、病院で再検査を受けた。
で、AST(GOT)、ALT(GPT)の値が高くてしっかり慢性肝炎と診断されて40日間入院したんだよ。
(陽介)あちゃ!おじさんにはそんな過去があったんですか!
(私)まぁ、私の場合は明らかに慢性肝炎を示す兆候が他にもあったからね。
医師はHIV感染については何も言わなかったし、私もHIV検査は受けなかった。
(陽介)でもおじさん、普通の病院でAST(GOT)、ALT(GPT)が少し高いからって、HIV検査を勧める医師は少ないでしょう?
(私)たぶんね。私もそう思う。だからたんぽぽに登場する医師はすごいと思うよ。
そのまま見過ごしていたら、患者は肝炎じゃなくてエイズを発症してたと思う。
(陽介)本当ですね。
(私)ただし、たんぽぽのケースはまれなケースであって、AST(GOT)、ALT(GPT)がHIV感染の指標になる訳じゃない。
少し高い値でもほとんどの人はHIVには感染していない。だから過剰に心配する必要はないよね。
(陽介)そうですね。
(私)だから元々HIV感染の可能性に心当たりがあって、少しでも不安を感じるならすぐにHIV検査を受けるべきだ。
その上トランスアミナーザの値が高ければ、それもHIV検査を受けるきっかけにはして欲しいね。
(陽介)なるほど。HIV検査のきっかけですね。
以前、『これって、HIV感染症の初期症状かな?』で教えてもらった話ですね。
(私)その通り。初期のHIV感染には特有の症状はないから、どんな症状であれそれほど過剰に心配することはない。
ただ、自分でHIV感染に心当たりや不安があればHIV検査を受けるきっかけにして欲しいってことだね。
(陽介)分かりました。
(私)もう何度も教えてきたけど、早期のHIV検査は救命的検査になるかも知れないからね。
不安や小さな兆候を見つけたときにHIV検査を受けて欲しいね。
(陽介)AST(GOT)、ALT(GPT)というトランスアミナーゼの上昇もその1つってことですね。
(私)そうだね。日本では年間に約1,400人から1,500人くらい新規のHIV感染者が報告されている。
このうち、約30%はHIV感染が分かった時点ですでにエイズを発症している。
いわゆる、「いきなりエイズ」だね。
しかも50歳以上で見ると、何とHIV感染者の2人に1人が「いきなりエイズ」なんだ。
いかに自分のHIV感染リスクに無関心な人が多いかを示すものだよね。
■厚生労働省エイズ動向委員会データからグラフ化
今やHIV感染が早期に分れば薬でエイズ発症を防げる時代だ。
少しでも不安を感じたら早期のHIV検査を受けて欲しいね。今回の話をそうした観点で参考にしたもらいたいな。
それじゃ今日の話はこの辺でお終いだ。
(陽介)おじさん、ありがとうございました。
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