以前、CD4数とHIV-RNA量について説明しましたが、今回はその補足説明です。
私が追加で調べたことを甥っ子の陽介に話しますので、ぜひあなたもいっしょに聞いて下さい。HIV、エイズの一般情報をとしてお役立て下さい。
なお、今回の情報源は■HIV感染症の基礎知識(ACC)こちらからの情報です。
(甥っ子陽介)おじさん、今日はどんなお話ですか? | (私)陽介、今日はCD4数とHIV-RNA量についての話だよ。 |
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(陽介)CD4数とHIV-RNA量?それって以前教えてくれましたよね。CD4数は免疫力の指標でHIV-RNA量は体内のウイルス量を測る指標ですね。
(私)そうだったね。以前に話した、『CD4ってなに?』、『HIV RNA量ってなに?』に出てきたね。
(陽介)はい。そうでした。
(私)今回はまぁ、その話の補足って感じだな。分かりやすい資料を見つけたのでもう少し補足説明を付け加えたい。
(陽介)なるほど。どんな補足ですか?
(私)まず、HIV-RNA量についての補足だよ。以前にも話した通り、HIVは感染すると体内で免疫細胞に侵入し、その中で自分のコピーを作ってどんどん増殖していく。その増殖スピードは何と1日に100億個もコピーを作るんだよ。
(陽介)すごいですね。もう天文学的な数値ですね。
(私)そうだね。でも現在は抗HIV治療によって体内のウイルス量をコントロールできるようになった。そして体内のウイルス量を測定することで病気の進行具合がある程度分かるんだよ。治療開始後の測定では薬の効き具合も分かる。
(陽介)なるほど。具体的なウイルス量との関係はどうなんですか?
(私)それそれ。今回はそれを補足しようと思った。このグラフを見てごらん。
体内のウイルス量と病気の進行状態の関係をグラフにしたものだよ。だいたいのイメージで見てもらうといいね。
(陽介)なるほど。当然ですけどウイルス量が多いほど病気の進行は早くなるわけですね。1ml中に100,000コピーって、やっぱり天文学的な数字ですね。
(私)そうだね。そしてHIVの場合は免疫機能の中枢細胞の中で増殖し、これを破壊していく。だからHIVが増えるってことは免疫細胞が減っていくと言うことでもあるしね。
(陽介)20コピー/mlが検出限界なんですね。
(私)そうだよ。今の抗HIV医療ではこの検出限界までウイルス量を減らすことが目標になってるんだ。検出限界までウイルス量が減少すると免疫力も回復して日和見感染症の危険が少なくなる。私が調べたところ、初回治療の場合は90%以上が6ヶ月以内に検出限界以下になるそうだ。
(陽介)そうなんですか。90%以上ってすごいですね。抗HIV医療は進歩してるんですね。
(私)だからこそ早期のHIV検査は大事なんだね。早期に感染が見つかれば高い確率でエイズ発症の予防も出来るし免疫力の回復も期待出来る。
(陽介)本当ですね。
(私)それじゃ次にCD4数の補足だよ。CD4は人間の免疫力を示す指標で健康な人なら700~1400くらいある。それがHIVに感染して免疫細胞を破壊されるとどんどん低下していく。それを示すのがこのグラフだ。
(陽介)なるほど。CD4は350まで下がると抗HIV治療が始まるんですね。そして200を切ると相当危ないってことですね。
(私)むろん個人差もあって350まで下がらなくても治療を開始することもあるよ。最近では早期の治療開始の方が予後がいいとされてるみたいだね。
(陽介)これっておじさん、さっき説明してくれたHIV-RNA量との関係はどうなるんですか?
(私)うん、治療によってHIV-RNA量は減っていき、CD4数は逆に回復して増えてくる。CD4数は治療によって1年で平均200くらいは回復するそうだ。
(陽介)そうなんですか。それじゃ350で治療開始だとすると1年で正常範囲まで復活出来る訳ですね。
(私)そうだね。これも個人差あるだろうけど平均的な話だとそうなるね。
(陽介)こうしてCD4数とHIV-RNA量の2つの指標によって体内のウイルス量、免疫力を見ていくわけですね。
(私)そうだよ。HIV検査で陽性と分かればいつから治療を開始するかを測るために必要な指標になるし、治療を開始すれば薬がどのくらい効いているかを測る指標になるね。
(陽介)なるほど。とても重要な指標なんですね。
(私)そう言うこと。今回はすでに話したCD4数とHIV-RNA量について補足説明をしたよ。
(陽介)おじさん、よく分かりました。ありがとうございました。
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