HIVが感染する可能性がある体液としては、血液、精液、膣分泌液、母乳などがあります。その他の涙や唾液などでは感染しません。

では、感染の可能性がある体液中のHIV濃度はどれも同じでしょうか?それとも同じく感染力はあっても濃い、薄いの差があるのでしょうか。

今回も私が調べたことを甥っ子の陽介に話しますので、あなたもいっしょに聞いて下さい。

(甥っ子陽介)おじさん、体液中のHIV濃度って、それぞれ違うんですか?
陽介
(私)陽介、そうだよ。体液ごとに差があるんだ。
私

(陽介)そうなんですか。どんなふうに差があるんですか?例えば精液と膣分泌液で差があるんですか?

(私)お!いきなりいい質問だね。実はその通りで差がある。私が調べたところ、精液の方が膣分泌液よりもHIVの濃度が高く感染力も強い。

(陽介)へぇ~、そうなんですか!全く知りませんでした。

(私)以前、「HIVは女性の方が感染しやすいってホント?」って話をしたよね?覚えてるかい?

(陽介)はい、覚えています。女性の方が性器の構造上感染しやすいってお話でしたよね。

(私)そうだ。あの話をした後に、色々調べたみたらさっき言ったように実は精液の方が膣分泌液よりもHIV濃度が高く、感染力が強いことが分かった。これも女性の方がHIVに感染しやすい理由の1つなんだよ。

(陽介)へぇ、そうだったんですか。

(私)私も全く知らなかったんだけど、複数のエイズ関連サイトに出てるから間違いないと思うよ。

例えばこんなサイトだ。

『エイズとは何か?』(公益財団法人 日本学校保健会)

『アフリカの女性と子供のエイズ』(若杉なおみ)

他にもいくつか見つかった。

(陽介)なるほど。精液の方が膣分泌液よりHIV濃度が高いってことは分かりました。でもそれって、定量的にはどのくらい差があるんでしょう?それに血液や母乳と比較するとどうなんでしょう?

(私)なるほど、それは当然の疑問だよね。私もその答えを随分探してみた。

(陽介)見つかりましたか?

(私)う~ん、それがね、1つだけ答えが載ってるサイトを見つけた。それがこちらのサイトだ。

『血液や体液中のHIVの量についての比較』(血液の鉄人のブログ)

血液の鉄人は知ってるよね?

(陽介)はい。おじさんのお話しに何度か登場してますよね。HIV、エイズ関連のブログとしては有名ですね。

(私)そうだ。知る人ぞ知るって感じだね。

(陽介)それで、どんな答えなんですか?

(私)うん、こんな感じだね。表にしてみた。

分 類 濃 度
血液中 100
精液 98
カウパー液 95
膣分泌液 90
唾液 10以下
1以下
1以下
尿 1以下

血液中のHIV濃度を100としたときに、それぞれの体液中にどのくらいHIV濃度があるかを示したものだよ。鉄人のサイトで公開されている。

(陽介)なるほど・・。HIVが感染する血液、精液、膣分泌液、が断然多いですね。まさに桁違いですね。

(私)そうだね。こうして定量的に見るとよく分かるね。

(陽介)でもおじさん、母乳がないですね。母乳からもHIV感染の可能性はあるんでしょう?

(私)そうなんだよ。残念ながら鉄人のブログには母乳は載ってなかった。他にも色んな医療サイトを探してみたけど見つからなかった。

信ぴょう性が確かじゃないけど、母乳のHIV濃度は精液と膣分泌液の間とする記事がいくつかあったな。いずれにしても母乳はHIVが感染するだけの濃度はある訳で、精液や膣分泌液に近い濃度だと思うけど。

HIV濃度

(陽介)でもおじさん、前に教えてもらいましたが体内のウイルス量って個人差が大きいんでしょう?治療前と治療後でも大きく違いますよね?

(私)その通り。

(陽介)だったらさっきの表で血液が100の時、膣分泌液は90だったけど、治療を受けていない人の膣分泌液は治療を受けている人の血液よりHIV濃度が高いかも知れませんよね?

(私)もちろんんそれはあり得る話だね。表中の数字はあくまで同じ人の体液中の比率って意味合いだ。絶対値そのものは陽介が言ったみたいに個人差があるよ。

(陽介)でも、こうして数値で示されると何が感染する可能性があって、何が感染しないのかより分かりやすいですね。

(私)確かにそうだね。私もこれまで色んな医療サイト、専門書を読んでみたけど体液中のHIV濃度を数値で示した記事は鉄人のブログだけだ。

出来ればそのデータの素性、誰がどうやって調べたのかまで分かるといいんだけど、そこまでは鉄人のブログにも載ってなかったよ。

(陽介)そうなんですか。

(私)とにかくしっかり覚えておいて欲しいのは、

●血液・精液・膣分泌液・母乳からHIV感染の可能性がある。

●汗、涙、尿、唾液などからHIVが感染することはない。

ってことだね。

何を用心して、何を用心しなくていいのか知っておくことは大事だ。

(陽介)はい。分かりました。

(私)それじゃ今回の話はこれまでにしよう。

(陽介)おじさん、ありがとうございました。

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