「いきなりエイズ」とは、HIVに感染していることに気付かず、エイズを発症してから分かることを言います。文字通り、「いきなり」エイズを発症してしまうことです。

今回は「いきなりエイズ」の問題点を私が甥っ子の陽介に話します。ぜひあなたもごいっしょに聞いてください。

(甥っ子陽介)おじさん「いきなりエイズ」って何ですか? (私)陽介、それは文字通り「いきなり」エイズを発症することだよ。
陽介 困った私

(陽介)「いきなりエイズ」という言葉はいつ頃から使われ始めたんですか?

(私)うーん、それはねぇ、ちょっと正確にはおじさんも知らない。ただ、こんな記事を見つけたよ。

「いきなりエイズ」

この記事を読む限り2007年にはすでにHIV対策の関係者の間では広まっていたらしいね。

(陽介)そうなんですか。でも、それほど以前から使われていた言葉ではないんですね。

(私)うん。ネット上で「いきなりエイズ」で検索してもそれほど昔の記事は見つからない。たぶん、2007年より少し前、2005年くらいから登場したんじゃないか。

(陽介)「いきなりエイズ」の意味としては、自分がHIVに感染していることに気が付かず、エイズを発症して初めて気づく状態を言うんですね?

(私)その通りだよ。厚生労働省のエイズ動向委員会が新規エイズ患者を随時発表しているけど、これが「いきなりエイズ」にあたるんだよ。

(陽介)え?新規のエイズ患者は全て「いきなりエイズ」なんですか?

(私)うん。エイズ動向委員会の定義ではそうなるね。つまり、すでにHIV感染が分かっている人がエイズを発症しても新規エイズ患者とは見なさない。

(陽介)それじゃ、HIVに感染した人がエイズを発症したケースはどうなるんですか?

(私)それはHIV感染者の病変として、任意の報告になるんだよ。エイズ患者が死亡した場合も同じだ。全数報告が義務付けられていない、あくまでも任意報告だからね。

例えば最近発表されたデータはこんな感じだね。

『病変死亡者の国籍別、性別、感染経路別の年次推移』

(陽介)はぁ~・・・正直、僕が思っていたよりもずいぶん件数が少ないです。もっとエイズを発症する人は多いと思っていました。

(私)いや、さっきも言ったけどこれは任意報告なので、実際にエイズを発症した人はもっと多いかも知れない。それは分からないんだよ。

(陽介)あ、そうでしたね。任意報告なんでしたよね。

(私)ただ、以前にも話したけど、現在の抗HIV医療ではHIVに感染しても早期に見つかればエイズ発症を防ぐことが出来るんだ。実際にエイズ発症のケースは少ないと思うよ。

(陽介)そうでしたね。HIV感染は完治できないまでもエイズ発症を防ぐことは出来るようになっているんですね。

(私)だから「いきなりエイズ」はとても残念なことだと思うよ。もしもHIV検査を受けていればエイズ発症を防げた可能性が高いものね。

むろん、エイズ発症後の治療も研究が進んで死亡する人は激減しているけど、それでも「いきなりエイズ」発症後の治療は難しいことがあるからね。

(陽介)そうなんですね。それじゃおじさん、HIVに感染して「いきなりエイズ」を発症する人って、どのくらいいるんですか?

(私)うん、具体的な数値で教えてあげよう。令和3年の実績では、1年間にHIVに感染したと報告された人が全部で758人、そのうち「いきなりエイズ」を発症していた人が304人だよ。だからいきなりエイズは28.6%にあたるね。

(陽介)これって、毎年こんな感じですか?

(私)そうだね。⇒補足資料①(このページの一番下)

(陽介)こうして過去からの推移を見ても、やっぱりHIV検査は重要だなって思いますね。

(私)そうだね。「いきなりエイズ」を発症した人たちの多くは、まさか自分がHIVに感染してるなんて、思ってもみなかったと思うよ。

HIVに感染しても自覚症状がないから、検査をするしか確認方法がない。だから自分が危ないと思わない人は気が付かないままエイズを発症してしまうリスクが高い。

(陽介)おじさんが毎度言ってるみたいに、何も自覚症状がなくても、HIV感染の不安や心当たりがあれば、絶対に検査を受けた方がいいですね。

(私)その通り!保健所に行けば無料・匿名でHIV検査をしてくれる。そりゃ確かに多少の時間や手間は必要だけど、万一HIVに感染していた場合を思えば、何てこともないはずだ。

(陽介)確かにそうですね。結局、自分の感染リスクをどう考えるかですね。

(私)必要以上に神経質になることもないし、けど無視するのは危険だね。やはり早期のHIV検査は考えて欲しいね。

(陽介)はい、分かりました。

■関連記事:この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

『私がHIV検査を決心できたわけ』

いきなりHIVとは?

 アイコンボタン検査の先送りは「いきなりエイズ」のリスクが増すだけ。
バナー4

自宅で保健所や病院と同等の信頼性
タイプJ ・HIV検査専用です。(男女共通)
・私はたったの10分で終わりました。

¥4,600+消費税
矢印STDチェッカー タイプJ
重複感染は単独よりずっと危険!
タイプO ・HIV
・梅毒
・B型肝炎
(男女共通
・重複感染の検査

¥7,750+消費税
矢印STDチェッカー タイプO
一番人気! 5種類を同時に検査!
タイプEバナー3 ・HIV
・梅毒
・B型肝炎
・クラミジア
・淋菌

¥9,200+消費税
矢印タイプE 男性はこちらから

矢印タイプE 女性はこちらから







___________________________________________

補足資料

①いきなりエイズの割合

いきなりエイズ

厚生労働省エイズ動向委員会資料よりグラフ作成

注)いきなりエイズの割合=((新規エイズ患者)÷(新規HIV感染者+新規エイズ患者))×100%

すなわち、その年に報告されたHIV感染者全体における新規エイズ患者(=いきなりエイズ)の割合を意味します