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保健所でHIV検査を受けた人の中には、「HIVに感染した可能性があるのは?」と、不安になる人がいます。事実、当サイトの読者様で管理人の私宛に相談メールを頂いたことがあります。

今回は保健所でHIVに感染する可能性があるのかどうか、甥っ子の陽介に話したいと思います。これから保健所でHIV検査を受けようと思うあなたはぜひ最後までお読み下さい。なお、私自身過去に保健所でHIV検査受けた経験があり、それも踏まえた上で今回の記事を作成しました。

(甥っ子陽介)おじさん、保健所にHIV検査に行って、その場でHIVに感染する可能性ってあるんですか? (私)陽介、そんな心配をする必要はないよ。過去にそんな事例は1件もないし、あり得ない。
陽介 私

◇保健所でHIV感染しないか心配する人たち

(陽介)僕がネットでHIV感染相談を読んでいると、けっこう出てくるんですよ。保健所にHIV検査を受けに行って、検査結果は陰性だったから安心だけど、今度は保健所でHIVをうつされたのではないかと心配になった人。この人たちって、どうしてそんな心配するんでしょうね?

(私)確かに保健所にHIV検査に行って逆に不安になった人がいるね。陽介の言う通り、ネットで多数の人が心配だと書き込みをしている。私が思うに、こんな理由で心配するんじゃないかな。

1.採血の時に使用する注射器が使い回しされていないか?

2.注射器以外にもHIV感染者の血液、体液がどこかに付着していないか?

3.保健所にHIV検査を受けに来る人の中にはHIV感染者がいる確率が高い。

4.病院と違って保健所はどうも感染防止が万全でないような気がする。

保健所でのHIV感染を心配する人はこんな理由じゃないかと思われるものを書きだしてみたよ。たぶん、こんな心配をしているんだと思う。

(陽介)なるほど。確かに心配になるような項目ですね。まぁ、保健所だけなく病院でのHIV検査でも同じような心配はあるでしょうね。

(私)そうだね。ただ、4番目にもあげたけど保健所と病院を比べると、病院の方が安心出来るって人も多いと思う。実は私自身が過去に保健所でHIV検査を受けた経験があるんだけど、ちょっと違和感感じたからね。

(陽介)どんな違和感ですか?

(私)採血してくれた保健所の担当者が白衣じゃなくて普通のかっこうだったんだよ。確か厚手のセーターにパンツ姿だった。これにはちょっと驚いたね。(管理人が体験した実話です)

(陽介)う~ん、セーターにパンツ姿ですか。病院でそんな服装のスタッフは絶対いませんね。

(私)私が行った保健所はたぶんそんな多く受検者がいないと思う。そんな規模の保健所だった。だから採血って1日に数回しかやらないんだと思う。それで白衣を着てないのかなって思った。

でもね、後で調べたら、保健所で採血する人って白衣を着てない方が多いらしい。それが普通みたいだよ。保健所によっても違うみたいだけど。

(陽介)そうですか。保健所のルールはどうなってるのか知りませんけど、保健所ってそうそう行く場所じゃないから慣れていないし、そんな姿で採血されると不安に思う人もいるでしょうね。

(私)まぁ、あくまで印象の問題であって、だから感染予防が不十分って訳じゃないと思うけどね。

(陽介)そうですね。それでおじさん、さっきの1番目の件はどうなんですか?何と言ってもそこが一番気になるんですけど。

 

◇注射器の使い回しはやってない?

(私)採血用の注射器の使い回しだね。確かにこれが一番気になるよね。何しろHIVの感染ルートとして注射器の使い回しによる血液感染があるからね。

(陽介)え~!今でも注射器からのHIV感染ってあるんですか?かつて予防接種の注射器が使い回しされてB型肝炎やC型肝炎が広まった話は聞いたことがありますけど、それってかなり前ですよね。今ではそんな危険はないと思ってたんですけど。

(私)うん、陽介の言う通りだよ。今では保健所でも病院でも使い捨てタイプの注射器だから、採血には1回1回新品を使う。前の採血者の血液が付着したままの針が使用される心配はない。

(陽介)でもおじさん、現実に注射器の使い回しでHIV感染が起きてるんでしょう?

(私)それは保健所や病院じゃなくて麻薬などの薬物依存者が不法に回し打ちして起きるんだよ。

(陽介)あぁ、そういうことですか。それって日本じゃどのくらい発生してるんですか?

(私)過去3年で見るとこんな感じだね。

●2012年(平成24年) 8件

●2013年(平成25年) 5件

●2014年(平成26年) 7件

(厚生労働省エイズ動向委員会のデータによる)

(陽介)なるほど。でもこれって保健所や病院では起こりえないですよね?

(私)そうだね。院内感染予防の1丁目1番地って感じだろうな。これやっちゃうと非常に高い確率で感染するらからね。しかも100%保健所、病院側の責任になるから補償も含めた責任問題は飛んでもなく大きいと思うよ。

(陽介)さっきおじさんも言ってましたけど、採血に使う注射器は1回ごとの使い捨てだから他人の血液から感染する可能性はないんですね?

(私)そうだね。注射針は100%使い捨てだ。使い回しはあり得ない。ただ、注射器の方は必ずしもそうじゃない。

(陽介)え!使い回しするんですか!

(私)正確に言うと注射器じゃなくてホルダーだね。

(陽介)ホルダー?何ですかそれって?

 

◇注射器と真空採血管

(私)それを説明する前に、採血に使われる注射器って2種類あるんだよ。いわゆる注射器って呼ばれてるタイプと、真空採血管と呼ばれてるタイプがある。

まずは注射器の方から説明しよう。この図を見てごらん。⇒補足資料①

注射器による採血

図1.注射器による採血

これは昔から使われてる注射器による採血だね。この注射器は使い終わるとこのまま医療廃棄物として処分される。使い捨てタイプだから同じ注射器が別の人に使われる心配はない。

(陽介)はい。よく見る注射器ですよね。

(私)次は真空採血管を使った採血だよ。これも保健所や病院でよく見ると思うけどね。⇒補足資料②

真空採血管による採血

図2.真空採血管による採血

これは真空状態になった採血管をホルダーに刺しこんで使うんだよ。針を刺すと真空になっているから血液が決まった量だけ入ってきて採血出来る。針とホルダーと採血管の3つの部品が使われてるんだ。

このうち、針と採血管は使用後に必ず破棄される。でも、ホルダーは破棄せず洗浄・消毒してリサイクルされていた。それで感染する心配がないと思われてたんだね。何よりコスト的に安く出来る。

(陽介)う~ん、でも本当に感染しないんですか?

(私)そこだよ。いくら洗浄、消毒すると言っても血液が付着した場合には完全に安全とは言い切れないと言う指摘が出てきた。

それに洗浄、消毒を繰り返すことで品質や安全性が低下、劣化する恐れがあるんだね。それで平成17年に厚生労働省からホルダも使用後は破棄して毎回新品を使うように通達が出たんだよ。⇒補足資料③

ただ、それで全ての医療機関が完全に使い捨てタイプに切り替わったのかどうか、それは分からないけどね。私が調べたところ、まだ洗浄、消毒して使ってる病院があるみたいだよ。

(陽介)そうなんですか。でも早く完全に使い捨てになって欲しいですね。

(私)本当にそうだね。ただ保健所では完全に使い捨てだと思うよ。

(陽介)それじゃおじさん、おじさんが書いてくれた保健所のHIV検査を不安に思う理由の2番目、

「注射器以外にもHIV感染者の血液、体液がどこかに付着していないか?」

これについてはどうですか?

(私)うん、実際にこうした不安を感じる人は思いのほか多くて、ネットの相談サイトでよく見かけるね。でも、これこそ受検者よりもスタッフの方がより危険だよね。だから自分たちの安全確保のためにも細心の注意を払って感染防止をしているよ。

それでもたまに聞くのは「針刺し事故」だね。今はこれも禁止になってるけど、以前は廃棄する注射器の針にキャップをしてたんだ。その時に誤って自分の指に針が刺さる事故が起きてた。

また、注射針以外でも血液の付着した器具でケガなどして血液が体内に入る事故も「針刺し事故」に含まれるんだ。

(陽介)「針刺し事故」ってよく聞きますね。万一事故が起きた場合の処理法はちゃんと決まってるんでしょう?

(私)そうだよ。各病院でマニュアル化されてる。保健所にもルールがあると思うよ。

(陽介)それじゃ「針刺し事故」でスタッフの人に危険はあっても、僕たち受検者がHIVに感染する危険性はありませんよね?

(私)ないね。私たちが保健所でHIV検査を受ける時、唯一HIV感染の可能性があるとすればさっきも出た注射器、注射針の使い回しだ。でもそれが使い捨てで可能性がないから大丈夫だよ。

(陽介)分かりました。実際に保健所や病院でHIV感染が起きたことってないんですよね?

(私)少なくとも受検者がHIVに感染したと言う話は今まで聞いたことがない。「針刺し事故」によるHIV感染は起きたことがあるかも知れないけどね。

(陽介)分かりました。

(私)それじゃ今回はこの辺で終わりにしよう。

(陽介)おじさん、ありがとうございました。

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補足資料

①注射器による採血(動画)

②真空採血管による採血(動画)

③厚生労働省による通達