HIV感染者の多い都道府県はどこなのか?厚生労働省エイズ動向委員会のデータを元に集計してみました。単に報告件数だけでなく、人口との相関データにも注目してみました。

元データはこちらです。⇒『厚生労働省エイズ動向委員会』

(甥っ子陽介)おじさん、HIV感染者の多い都道府県ってどこなんですか? (私)陽介、今日は都道府県の人口との相関データで説明してあげよう。
陽介 私

(陽介)え?都道府県の人口との相談データ?おじさん、どういう意味ですか?

(私)簡単な話だよ。普通に考えて東京とか大阪とか、人口の多い都道府県にHIV感染者やエイズ患者が多いだろうことは想像できるよね。

(陽介)はい。それは当然そうですね。

(私)HIV感染者の多い、少ないを決める要因が人口だけとは限らないけど、大きな要因であることは間違いない。事実そうなっている。

(陽介)あ~、やっぱりそうなんですね。

(私)そこで、各都道府県の人口10万人当たりの新規HIV感染者数を計算してみた。

(陽介)人口10万人当たり?

(私)そうだよ。つまり、HIV感染者の絶対数ではなく、人口当たりの件数を見てみようと言う訳だね。例えば人口は多いのにHIV感染者の割合は少ないとか、その逆に人口は少ないのにHIV感染者の割合は多いとかね。

(陽介)なるほど。絶対数ではない人口10万人当たりの動向をみようってことですね。

(私)そうなんだよ。ではまず今回使用した元データを紹介しておくね。

●平成25年全国都道府県人口(総務省統計局データ)

●平成26年都道府県別新規HIV感染者数(新規エイズ患者含む)
厚生労働省エイズ動向委員会データ

ただし、平成26年の都道府県別新規HIV感染者は速報値なので8月に出される正式版とは若干差異が出る可能性があるよ。また、新規HIV感染者は新規エイズ患者の件数も含んでいる。

(陽介)分かりました。それでおじさん、どんな結果になったんですか?

(私)うん、まずはこの表を見てもらおう。人口の多い県、少ない県をそれぞれ10県ずつ選んだ。それに新規HIV感染者の多い県、少ない県も10県ずつ選んだ。(新規HIV感染者は新規エイズ患者を含む)

◇2014年 都道府県別新規HIV感染者(新規エイズ患者含む)

順位 人口の多い県 新規HIV感染者の多い県
1位  東京都  東京都
2位  神奈川県  大阪府
3位  大阪府  愛知県
4位  愛知県  神奈川県
5位  埼玉県  福岡県
6位  千葉県  千葉県
7位  兵庫県  埼玉県
8位  北海道  兵庫県
9位  福岡県  沖縄県
10位  静岡県  北海道
 
38位  秋田県 和歌山県(注)
39位  香川県  鳥取県
40位  和歌山県  島根県
41位  山梨県  山口県
42位  佐賀県  山形県
43位  福井県  富山県
44位  徳島県  香川県
45位  高知県  岩手県
46位  島根県  秋田県
47位  鳥取県  山梨県

(注):和歌山県と新潟県は3件で同数。表の構成上和歌山県のみ記載。

どうだい?こうしてみるとだいたい人口に比例して新規HIV感染者が報告されていることが分かるね。

(陽介)そうですね。でもおじさん、沖縄県は人口の割には新規HIV感染者が多いですね。

(私)そうだね。人口では全国27番目だけど、新規HIV感染者の件数では9番目になっている。

では次に各都道府県の人口10万人あたりの新規HIV感染者数をみてみよう。多い県を10県だけ表にしてみた。それがこの表だよ。

◇2014年 人口10万人あたり新規HIV感染者(新規エイズ患者含む)

( )の中は人口での順位

順位 都道府県
感染者/10万人(人)
1位(1) 東京都 3.75
2位(27) 沖縄県 2.33
3位(3) 大阪府 2.29
4位(9) 福岡県 1.39
5位(4) 愛知県 1.29
6位(36) 宮崎県 1.16
7位(18) 栃木県 1.11
8位(2) 神奈川県 1.05
9位(21) 岡山県 1.04
10位(34) 石川県 1.04

こんな感じだね。沖縄県、宮崎県、岡山県、石川県などが人口10万人あたりの感染者件数では多い結果になってる。

(陽介)ふ~ん、やっぱり沖縄県は多いですね。人口数では全国27位、HIV感染者の合計件数では9位、10万人あたりの感染件数では2位ですね。

(私)そうだね。2014年に新規HIV感染者の件数が多かったことについては地元の新聞でも取り上げているよ。

『14年の沖縄県内HIV感染・患者 過去最多33人』

(陽介)こうしてみると、自分が住んでいる都道府県のHIV感染者が少ないからって自分が安全だなんて言えないですね。10万人あたりの感染者数も見ないと分かりませんよね。

(私)いやいや、どちらにしても都道府県の感染者数と自分がHIVに感染するリスクは関係ないと思った方がいいよ。前にも言ったけど感染確率で安全かどうか判断するのは危ない。どんなに確率が小さくても感染するときはするし、感染してしまえば100%だからね。

(陽介)そうでしたね。分かりました。

(私)ただ、各都道府県の保健所などではこうしたデータを元に、HIV検査の啓蒙活動を行っているよ。HIV感染者の報告件数が多いってことは、それだけHIV検査を受ける人が多いとも言えるよね。

(陽介)そうですね。

(私)今回の資料は新規HIV感染者の中に新規エイズ患者の件数も含んでる。これを別々にみると、HIV検査で感染が見つかった人、検査ではなくエイズを発症して見つかった人、それぞれが分かるね。

(陽介)なるほど。おじさん、その資料はないんですか?それが知りたいですね。

(私)うん、ここにはないけど、こちらのサイトで見ればわかるよ。

『平成26年(2014年)都道府県別新規HIV感染者/エイズ患者』

(陽介)なるほど。新規HIV感染者と新規エイズ患者が別々に表になっていますね。

(私)これで見ると、平成26年は新規にHIV感染者として報告された人の約30%がすでにエイズを発症していた。しかし一番感染者の多かった東京都ではその割合は19%なんだよ。つまり、東京都では新規HIV感染者の報告件数は多いけどHIV検査を受ける人も多かったことになる。

(陽介)なるほど。そのデータも各自治体でHIV検査をもっと受けてもらうにはどうすればいいのか、考える材料になりますね。

(私)そう思うね。当然考えて施策を展開していると思うよ。それじゃ今回はこの辺でお終いにしよう。

(陽介)はい、おじさんありがとうございました。

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