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あなたは過去15年間で最もHIV感染者、エイズ患者の増えた都道府県がどこかご存知ですか?

そうですね、件数で言えばやはり東京です。人口が最も多い東京に最もHIV感染者が多いのはある意味当然かも知れません。では、HIV感染者やエイズ患者の件数ではなく増加率ではどうでしょう?

あるいは、HIV感染者におけるエイズ患者の割合、すなわち「いきなりエイズ」の割合はどうでしょうか?

今回は過去15年間の都道府県別エイズ動向をいくつかの指標から考えてみたいと思います。私の甥っ子の陽介と話しますのであなたもぜひいっしょに聞いて下さい。

なお、データは全て厚生労働省エイズ動向委員会ホームページから使わせてもらいました。

(甥っ子陽介)おじさん、今日はどんなお話ですか? (私)陽介、過去15年間でHIV感染者、エイズ患者が一番多い都道府県はどこか知ってるかい?
陽介 私

(陽介)え~?過去15年間に一番HIV感染者が多い都道府県ですか?それはやっぱり東京じゃないですか?毎年一番HIV感染者が多いのは東京ですよね。

(私)そう、その通りだね。厚生労働省エイズ動向委員会の発表データを見てみよう。まずは過去15年間の新規HIV感染者だよ。15年間の合計の多い上位10都道府県を表にしてみた。

●合計 2000年~2014年までの15年間の新規HIV感染者の合計件数

●割合 全国の総件数に占める各都道府県の割合

●倍率 2000年に比べて2014年の件数が何倍に増えているか

県名 合計(件) 割合 倍率
東京都 5,115 38.0% 1.9
大阪府 1,924 14.3% 4.6
愛知県 892 6.6% 3.5
神奈川県 858 6.4% 1.7
千葉県 457 3.4% 1.4
福岡県 389 2.9% 11.5
兵庫県 332 2.5% 1.9
埼玉県 314 2.3% 2.2
静岡県 306 2.3% 1.5
茨城県 196 1.5% 0.7
全国 13,460 100.0% 2.4

表1.過去15年間の新規HIV感染者

件数の多さではやはり東京、大阪、愛知、神奈川と人口の多い都道府県が上位だね。しかし、2000年から2014年の倍率を見ると、福岡が11.5倍で断然増えてる。大阪も4.6倍に増えてるね。

全国的に見ると2.4倍で、東京は1.9倍だから絶対数としては最も増えているけど倍率からすると全国平均以下ってことだね。

(陽介)本当ですね。福岡と大阪の2000年と2014年の件数はいくらだったんですか?

(私)こんな感じだよ。

●福岡県 2000年  4件 ⇒ 2014年  46件 11.5倍

●大阪府 2000年 34件 ⇒ 2014年 156件  4.6倍

(陽介)すると、過去15年間の累計で新規HIV感染者が最も多かったのは東京、次いで大阪、愛知、神奈川ですね。でも増加の倍率で言えば福岡、大阪、愛知が上位ですね。

(私)そうだね。それでは次に新規エイズ患者を見てみよう。

●合計 2000年~2014年までの15年間の新規エイズ患者の合計件数

●割合 全国の総件数に占める各都道府県の割合

●倍率 2000年に比べて2014年の件数が何倍に増えているか

県名 合計 割合 倍率
東京都 1,454 23.9% 1.0
大阪府 615 10.1% 3.1
神奈川県 416 6.9% 1.4
愛知県 448 7.4% 5.3
千葉県 366 6.0% 0.6
茨城県 204 3.4% 0.4
埼玉県 245 4.0% 1.0
福岡県 186 3.1% 8.0
静岡県 147 2.4% 0.7
兵庫県 182 3.0% 2.2
全国 6,071 100.0% 1.4

表2.新規エイズ患者

この表を見て分かるように、新規エイズ患者も絶対数は東京が一番多い。でも、2000年から2014年の増え方を見ると東京は横ばいで増えていない。

一方、福岡は8倍、愛知は5.3倍に増えている。実際の件数でみると、

●福岡県 2000年 3件 ⇒ 2014年 24件 8.0倍

●愛知県 2000年 6件 ⇒ 2014年 32件 5.3倍

こんな感じだよ。

(陽介)なるほど。だいたいの感じは分かりました。でもおじさん、倍率は2000年と2014年の比較ですよね?その間で増減があるんじゃないですか?

(私)確かにそうだね。でもだいたいは直線的に増加しているよ。一応グラフを作ったから見てごらん。10都道府県をグラフ化してるので見づらいかも知れないけど、15年間の変化を分かってもらえると思う。

まずは新規HIV感染者の推移からだよ。

15年間HIV感染者
グラフ1.新規HIV感染者の推移

陽介が言うように、東京、大阪はけっこう変動があるね。東京、大阪では新規HIV感染者のピークは2014年ではなく、東京が2008年の447件、大阪が2010年の198件だ。

だからまぁ、さっきの表1はだいたいの目安として見て欲しいね。

(陽介)なるほど、そうですね。

(私)それじゃ次に新規エイズ患者のグラフも見てもらおう。

15年間エイズ患者
グラフ2.新規エイズ患者の推移

何と言っても特徴的なのは東京だね。2000年からこの15年間、ほぼ横ばい状態だね。一方、大阪は2010年がピークで、そこまでは増加の一途をたどっていたけどやや減少して横ばい状態となっている。でも15年間通してみればやはりすごい増加したと言えるよね。

(陽介)でもおじさん、グラフ2を見ると上位3つの東京、大阪、愛知共に新規エイズ患者はここ数年では減少していますね。

(私)確かにね。陽介も知っての通り、HIVに感染しても早期に発見できれば治療によってエイズの発症を抑えることが出来る。だからもしかしたらHIV感染の可能性のある人がより検査を受けるようになったのかも知れないね。

そこで、2000年から2014年までの15年間に、HIV感染者として報告された人の中にすでにエイズを発症した人がどのくらいの割合いたのか、それも調べてみたよ。いわゆる「いきなりエイズ」」の割合だね。

それがこの表だよ。

2000年から2014年までの累計で「いきなりエイズ」の割合が多かった順に並べた表だ。

県名 HIV感染者
合計
エイズ患者 いきなり
エイズ
茨城県 400 204 51.0%
千葉県 823 366 44.5%
埼玉県 559 245 43.8%
兵庫県 514 182 35.4%
愛知県 1,340 448 33.4%
神奈川県 1,274 416 32.7%
静岡県 453 147 32.5%
福岡県 575 186 32.3%
大阪府 2,539 615 24.2%
東京都 6,569 1,454 22.1%
全国 19,531 6,071 31.1%

表3.いきなりエイズの割合

(陽介)ふ~ん、絶対数の一番多い東京と、二番目に多い大阪は「いきなりエイズ」の割合は少ないんですね。全国平均よりも7%~9%も低いです。

(私)そうだね。つまりHIV感染者も多いけど、HIV検査を受ける人も多いってことだと思うよ。何度も繰り返し言うけど、HIVに感染しても早期発見できれば抗HIV治療によってエイズ発症を防ぐことが出来るからね。

だから茨城、千葉、埼玉などはもっと早期のHIV検査を受ける人が増えるといいね。HIV検査を受けやすい環境整備も必要かも知れない。

(陽介)それでも今の日本ではHIV感染として報告された人の約30%はすでにエイズを発症してた、ってことですね。

(私)そうだよ。だからこれも何度も言ってきたけど、「早期のHIV検査は救命的検査」なんだよ。

(陽介)分かりました。

(私)今回は過去15年分のデータから、新規IHV感染者、新規エイズ患者の多い都道府県、増加率の大きい都道府県を調べてみた。また、「いきなりエイズ」の割合が多い都道府県も調べてみた。

それじゃ陽介、最後にまとめてくれるかい。

(陽介)はい、件数の絶対数が多いのは東京、大阪ですね。でも、どちらも「いきなりエイズ」の割合は全国平均以下でした。早期のHIV検査を受ける人が多いのでしょうか。逆に茨城、千葉、埼玉などは「いきなりエイズ」の割合が大きいです。

それから増加率で大きいのは福岡、愛知ですね。これらが2000年から2014年までの15年間の累計で言えることですね。

(私)そう言うことだね。最後にもうひとつ付け加えるけど、自分の住んでる所がHIV感染者やエイズ患者が少ないからといって、それは自分が安全だってことじゃない。そこを勘違いしないようにね。

(陽介)はい、おじさん分かりました。ありがとうございました。

(私)それじゃ今日はこれでお終いだ。

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