2014年5月23日、厚生労働省から昨年のエイズ患者、HIV感染者の件数が過去最多だったことが発表されました。私が調べたことを甥っ子に話しますので、ぜびあなたもごいっしょに聞いてください。
(甥っ子陽介)おじさん、去年はエイズ患者が過去最多って、ホントですか? | (私)陽介、残念ながら本当だよ。HIV感染者も過去最多になってしまった。 |
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(陽介)そうなんですか。実数としてはどのくらいなんですか?
(私)厚生労働省、エイズ動向委員会の発表だとこうだ。
2013年(平成25年)エイズ動向
●新規エイズ患者 484人⇒過去最多(これまでは2011年の473人が最多)
●新規HIV感染者 1106人⇒過去2番目(最多は2008年の1126人)
●HIV感染者の合計 1590人⇒過去最多(これまでは2008年の1557人)
これを平成11年から25年まで、14年間の推移で見るとこんなグラフになるよ。
グラフ1.エイズ患者・HIV感染者の推移
(陽介)あ~、グラフで見せられるとよく分かりますね。えーっと、こうしてみると新規エイズ患者はまだ増加傾向にある感じですね。それに比べて新規HIV感染者はここ数年は横ばい状態だったのに、昨年はまた増えたって感じです。
(私)そうだね、当然、HIVに感染してからエイズ発症までは数年かかるから、HIV感染者の動向とエイズ患者の動向にはタイムラグが発生するだろうね。
(陽介)なるほど。新規HIV感染者は2008年(平成20年)までは増加の一途をたどっていたので、そのときにHIVに感染した人たちは数年後の今、エイズを発症してる可能性がある訳ですね。
(私)その通り。ただ、新規HIV感染者と言っても実際にはHIV検査で報告された件数のみしか把握出来ていない。HIV検査を受けていない潜在的感染者がどのくらいいるのか分からない。
(陽介)はい。その潜在的なHIV感染者については、『HIV感染者は10倍も多いってホント?』というお話で教えてもらいましたね。
(私)そうだったね。まぁ、厚生労働省の発表により10倍も多いHIV感染者がいるなんてあり得ないと思うよ。
(陽介)でもおじさん、結果的にですけど昨年は過去最多のエイズ患者が報告されたんですよね。
(私)残念ながらそうだ。そして、私が一番心配するのは「いきなりエイズ」の割合だ。
(陽介)「いきなりエイズ」って、自分のHIV感染に気付かず、エイズを発症して分かるってことですよね。
(私)そうだよ。昨年は新規HIV感染者と新規エイズ患者を合わせたHIV感染者が1,590人だった。だから「いきなりエイズ」の割合は30.4%だ。ほぼ3人に1人は「いきなりエイズ」だったことになる。
いつも陽介に話しているように、現在ではHIV感染が早期に分かればエイズ発症を防ぐことも出来る。だから「いきなりエイズ」はとても残念だと思う。
(陽介)そのお話も以前に『いきなりエイズとは?』で教えてもらいましたね。
(私)そうだね。ともかく、今回の厚生労働省の発表では2013年は新規エイズ患者もHIV感染者の合計も過去最多になってしまった。このデータが意味するところはいかに早期のHIV検査が重要かってことだ。
(陽介)おじさんがいつも言ってる、「早期のHIV検査は救命的検査」ってことですね。
(私)まさにそうだね。その一言に尽きると思うよ。
(陽介)分かりました。
(私)それじゃ、今回の話はこれで終わりにしよう。
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