みなさん、明けましておめでとうございます。2014年初記事です。本年もどうぞ宜しくお願い致します!

さて、2014年初記事は2013年を振り返ってみたいと思います。東京都保健局が発表した2013年の東京都エイズ動向を見てみたいと思います。

(甥っ子陽介)おじさん、2014年もよろしくお願いします! (私)陽介、おめでとう。こちらこそよろしくたのむよ!
陽介 私

(陽介)今年最初のお話ですけど、いったい何を教えてくれるんですか?

(私)そうだね。今年最初だから、まずは2013年を振り返ってみたいと思う。

(陽介)なるほど。2013年のエイズ動向を振り返るってことですね。

(私)そうだよ。ただ、厚生労働省が発表している全国版のエイズ動向は2013年の9月末までしか分からない。例年だと今年(2014年)の2月くらいに2013年の通期データが速報で分かるんだ。

(陽介)そうなんですか。それじゃ今2013年を振り返るといっても完全じゃないですね。

(私)まぁまぁ、待ちなさい。全国版はまだ分からないけど、東京都のデータは2013年が分かってる。それを見てみよう。

東京都保健局が発表した2012年12月31日から2013年12月22日までのエイズ動向データだ。

東京都エイズ動向

●2013年(平成25年)新規HIV感染者 350件(昨年同時期 364件)

●2013年(平成25年)新規エイズ患者 108件(昨年同時期 89件)

グラフにすると、こんな感じだ。

東京都エイズ動向
図1.東京都2013年エイズ動向

陽介、このグラフを見てどうだい?

(陽介)うーん、新規HIV感染者は減っているけど、新規エイズ患者は増加していますね。

(私)そうだね。新規エイズ患者は「いきなりエイズ」と呼ばれるケースだね。自分がHIVに感染していることに気付かないままエイズを発症してしまう。

(陽介)でも、それってHIVに感染した人がHIV検査を受けずにエイズを発症したってことですよね。もしもHIV検査を受けていればエイズを防げた可能性が高いですよね。

(私)そうだね。実は東京都は全国的にみてもHIV検査の受検率が高くて「いきなりエイズ」の発症率も低いんだ。

(陽介)え!そうなんですか。

(私)うん。例えば過去5年間を見てみると、こんな感じだね。東京都と厚生労働省の発表データを表にしてみた。

●いきなりエイズの発症率

年度 H.21年 H.22年 H.23年 H.24年 H.25年
東京都 20.4% 21.1% 20.8% 19.8% 23.6%
全国平均 29.7% 30.4% 30.9% 30.8% 31.6%

表1.「いきなりエイズ」発症率

注)平成25年の全国平均については1月から9月末までのデータによる

(陽介)なるほど。おじさんの言う通り、東京都のいきなりエイズ発症率は全国平均よりかなり低いですね。

(私)そうだね。それでも平成25年は前年よりも4%も高くなっている。

(陽介)おじさん、東京都のデータは分かりました。確かに東京って日本で一番人口が多いですよね。東京都のHIV感染者って、日本全体の割合でいうとどのくらいになるんですか?

(私)実は人口でいうと、東京都は日本全体の約10%だ。でもHIV感染者の割合でいえばもっと大きいよ。こちらも過去5年分くらいのデータを見てごらん。

●東京都の新規HIV感染者の割合

年度 H.20年 H.21年 H.22年 H.23年 H.24年
報告数 543 470 507 404 464
割合 34.9% 32.4% 32.8% 26.4% 32.0%

表2.東京都のHIV感染者の全国における割合

注)新規HIV感染者には新規エイズ患者も含みます。

(陽介)わぁ~、新規HIV感染者の30%以上が東京都で報告されているんですね。人口比率は10%なのに多いですね。

(私)そうなんだ。だから東京都のエイズ動向って重要なんだよね。

(陽介)分かりました。でも東京都だけでなく日本全体の2013年版が知りたいですね。

(私)うーん、それは2014年の2月まで待たないと分からないね。ただ、2013年の1月から9月末までのデータならあるよ。

厚生労働省エイズ動向委員会のデータ 2013年 1月~9月

●新規HIV感染者 782件(昨年同時期 744件)

●新規エイズ患者 361件(昨年同時期 331件)

これをグラフにしてみると、こんな感じだ。

エイズ動向
図2.全国版エイズ動向

(陽介)うーん、新規HIV感染者も新規エイズ患者も前年より増加してるんですね。

(私)そうだね。1月から9月のデータでは増加傾向だね。あと10月~12月でどうなるかだね。

(陽介)今回おじさんが教えてくれた東京都のデータと全国版のデータを見ると、改めてHIV感染に対する予防とHIV検査が大事だなって思いますね。

(私)そうだね。2013年は11月に献血によるHIV感染が発生してテレビや新聞で大々的にニュースとなった。そのせいでHIV検査を受ける人が急増したと聞いている。

それは本当に久々にHIVやエイズがメディアに取り上げられた出来事だった。こうしてメディアに取り上げられるとHIV検査を受ける人が増えるんだね。HIVやエイズに対する関心が高まるんだね。

(陽介)本当ですね。HIVやエイズに対して関心をもち続けることが大事ですね。

(私)それが自分や自分の大切な人を守るってことだね。

(陽介)はい。分かりました。どうもありがとうございました。

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補足資料

①東京都福祉保健局

②厚生労働省エイズ動向委員会