あなたの家族、友達、知人、友人でHIV検査を怖がって受けない人はいませんか?そんな人にHIV検査を勧めて受けてもらいにはどうすればいいでしょうか。

私の体験も交えて甥っ子の陽介に説明するのでぜひあなたもいっしょに聞いて下さい。

(甥っ子陽介)おじさん、嫌がる友達にHIV検査を勧めたいんだけど、いい方法はないですか? (私)陽介、きっとその友達は不安をいっぱい抱えているんだよ。それを減らしてあげるといいよ。
陽介 私

(陽介)不安ですか?

(私)そうだよ。単に忙しくて保健所に行けないとか、近くにないとか、そんな問題じゃないんだろう?

(陽介)そうなんです。車で15分くらいだし、友達はシフト勤務で平日の休みもあるんです。でもHIV検査は嫌だってきかないんです。そのくせHIVに感染しているかも知れないって不安がってるんですよ。

(私)その友達には何かHIV感染不安の心当たりでもあるのかな?

(陽介)う~ん、理由までは言わないんですよ。こっちもあまり突っ込んでは聞けませんしね。でも、間違いなく身に覚えがありそうです。

(私)だけどHIV検査は嫌だって言ってるんだね?

(陽介)そうなんです。だからどう言って説得すればいいのか、僕も困ってるんですよ。

(私)それはやっぱりHIV検査に対する不安があるから受けないんだろうね。陽介が友達の抱えている不安を軽くしてあげればいいんだよ。

(陽介)う~ん、いったいどんな不安を抱えているんでしょうね。

(私)むろん、本当のところは本人にしか分からない。でも私も何人か友達、知人にHIV検査を勧めたことがあるから察しはつくよ。

(陽介)どんな不安ですか?保健所で知った人に会うと困るとか、何を聞かれるか不安だとか、そんなことですかね?

(私)そういった不安もあるかも知れないけど、やはり最大の不安は、

「もしもHIV陽性だったらどうしよう」

と言う不安だろうな。私の友人たちは皆そうだった。(管理人注:本当は友達じゃなくて私自身がそうでした)

(陽介)ああ・・・そうですね。エイズの宣告が怖くてHIV検査が受けられないって訳ですね。

(私)そうだよ。どんなにHIV感染の不安を持っていても、あくまでそれは不安だからね。HIV感染が確定してる訳じゃない。心のどこかでは、

「まさか自分が・・・。そんなはずはない。」

って思ってる。それがHIV感染を宣告されてしまえばもう逃げ場がない。それが怖いんだと思うよ。不安が大きい人ほど検査が受けられない。

(陽介)う~ん・・・。難しいですね。じゃどうやって説得したらいいんですか?

(私)さっきも言ったけど、まずは友達の不安を軽くしてあげることだね。つまり、不運にもHIVに感染していたとしてもかつてのように必ず死ぬ病気じゃない。ここに広島大学病院が作った「HIV検査の勧め方」という冊子があって、この中に不安を軽くする要素が書かれている。これが参考になると思うよ。

詳しくは冊子を読んでもらうとしてここに要点だけ並べてみよう。

●HIVに感染しても免疫力の改善、維持が出来るようになりエイズ発症を防ぐことが可能。

●抗HIV医療は多くの場合、1~3ヶ月に1回ほど外来通院するだけ。

●キチンと治療を受ければ仕事や学校をやめる必要はない。

●抗HIVには色んな制度の医療費支援がある。自己負担をかなり軽減できる。

●HIVに感染していてもセックスは出来るし子供をあきらめる必要もない。

●専門スタッフによる相談窓口がいくつか用意されており、どんなことでも相談できる。

こうした内容を説明してあげることで不安が減ると思うよ。

(陽介)そうですね。もしHIV陽性でもすぐに死ぬことはないし、仕事も続けられる、子供もあきらめる必要ないと分かれば違いますね。でも、本当に子どもはあきらめなくてもいいんですか?

(私)大丈夫だよ。もしも女性がHIVに感染していた場合は人工授精になるね。男性がHIVに感染していた場合には体外受精になる。男性の精液からHIVを取り除き、卵子と受精させて子宮に戻すんだ。後は出産のときに産道感染しないよう注意が必要だね。

(陽介)へぇ、そうなんですか。知りませんでした。

(私)まず、今みたいに不運にもHIVに感染していた場合の不安を軽くしてあげて、次に早くHIV検査を受けることのメリット、逆に言えば遅くなってしまった場合のリスクを教えてあげるといいね。

(陽介)なるほど!それはいつもおじさんに教えてもらってますよね。え~っと・・・

●エイズ発症前、それも出来るだけ免疫力が強い段階で抗HIV治療を開始した方が予後がいい。

●エイズ発症後の治療でも命を落とすことは少なくなったがゼロではない。また後遺症が残ってしまうこともある。

こういうことですよね?

(私)その通り。いつも言ってるけど、「早期のHIV検査は救命的検査となる。」ってことだね。

(陽介)分かりました。友達に話してみます。

(私)もしもその友達がHIV感染の不安から検査を受けないのではなく、保健所に行くことが嫌、対面検査が嫌と言うことなら自宅で使えるHIV検査キットを教えてあげるといいよ。理想は保健所だけど、いつまでも検査を受けずに放置するよりは自宅でHIV検査キットの方がましだ。

(陽介)了解しました。

(私)ただし、HIV検査キットも自分で検査結果の判定まで行う輸入品の自己検査キットは信頼性に問題があるからダメだよ。郵送式の国産品を使うようにね。

(陽介)はい、それもちゃんと伝えます。ありがとうございました。

(私)友達が早くHIV検査を受けてくれるといいね。

矢印『怪しい症状連発!その時あなたはどうするべきか?』

矢印私がHIV検査を決心できたわけとは?