HIV感染を不安に思う人の中には、感染確率を気にする人が大勢います。

しかし、HIV感染の確率は気にしてもあまり意味がありません。

なぜなら・・・・。

その理由を甥っ子の陽介に話します。

ぜひあなたもごいっしょに聞いてください。

(甥っ子陽介)おじさん、HIV感染の確率って、気になるんですけど・・・ (私)陽介、HIV感染の確率は気にしてもあまり意味がないよ。
陽介 私

(陽介)えー!そうなんですか?

なぜHIV感染の確率は気にしても意味がないんですか?

(私)まず、HIV感染の確率が気になる時って、どんな時だい?

(陽介)それは、もしかしたら自分はHIVに感染してるんじゃないかって不安になったときです。

ネットの相談サイトでもHIV感染の確率を質問する書き込みは多数あります。

そしてほとんど、自分の行った行為が不安になった人の書きこみです。

(私)そうだね。だからこそ、私はHIVの感染確率を気にしても意味がないと思うんだよ。

(陽介)・・・・よく分かりません。

自分のやった行為がどのくらいの感染確率なのか、危険度を知りたいって思うのは自然なことじゃないですか?

(私)それは感染確率そのものによるよね。

例えば、キスだけなら10%、オーラルセックスなら30%、挿入行為までやったら60%、そんな感染確率なら気にする意味があるかも知れない。

(陽介)は~・・・何となくおじさんの言ってる意味が分かってきました。

以前、『HIV感染の確率データ』というお話をしてくれましたね。

(私)そうだったね。陽介、覚えているかい?

(陽介)確か、いろんな行為別のHIV感染確率を示したデータのお話でしたね。

(私)そうだ。厚生労働省の関連サイトで掲載されている信用できるデータだよ。

それによると、血液感染をのぞく性行為による感染では、アナルセックスの受け入れ側が最もリスクが高くて0.5%の確率だ。 ⇒補足資料①

一方、膣を使った性行為では受け入れ側の感染確率は0.1%とされている。

●アナルセックスの受け入れ側 0.5%

●膣を使った性行為の受け入れ側 0.1%

こんな感じで行為別の感染確率が載っている。

(陽介)今の2つを比べると確かに5倍の差がありますね。

(私)そうだ。倍率だけで言えば5倍だから大きいと言えるかも知れない。

でも、10%と50%の5倍と、0.1%と0.5%の5倍じゃ意味がまるで違うと思うね。

(陽介)なるほど。10%の5倍の50%だったら、相当危ないって言えるけど、0.1%の5倍の0.5%だと、大して変わらないような気もしますね。

(私)そこだよ、陽介。実際問題として考えると5倍の差は歴然としてある訳で、それは事実感染ルートの実績となって表れてる。

最も感染リスクの高いアナルセックスによる感染者がやはり最も多いんだ。

(陽介)数字の上でのリスクはそのまま実数に反映されているんですね。

(私)その通り。でも、それがそのままHIV感染を不安に思う人に役立つ数字、実績と言えるかどうか。

そこだよね。さっきの例で言えば、膣での性行為は安全で安心だけど、アナルセックスは危険で不安と言えるか。

そんなわけないね。

(陽介)それにおじさん。単に数字だけを言うなら、危険行為の回数の問題もありますよね。

確率0.1%の行為を5回繰り返せば、確率0.5%の行為をしたのと同じじゃないですか?

(私)その通りだ。もっと言うなら、こうした感染確率は個人差を全く考慮していない。

あくまで前提は相手がHIV感染者で、コンドームなどの感染予防をしなかった場合とされている。

でも、一口にHIV感染者と言っても、体内のウイルス量は皆違う。

HIV感染初期の急性期なら飛んでもない量のHIVが増殖しているし、治療中のHIV感染者なら検出限界近くまで減っている。

この両者の感染リスクが同じであるはずがない。

(陽介)つまり、同じ行為でも、相手によって全く感染確率が違うってことですね。

(私)そうだ。でも、全く違うといっても1%以下での多い、少ないの話だよ。

(陽介)うーん、そうか。結局、そう言うことですね。

(私)結論から言ってしまえば、本当にHIV感染が不安な人は、たった1%以下の感染確率を恐れている訳で、それが0.1%の確率だから安心で、0.5%の確率だから不安、なんてあり得ないと思うんだ。

そこにHIV感染の危険性が存在する限り、感染確率の数値がいくらであっても不安は消えないと思う。

0.1%だから安心と思える人は、初めからHIV感染を不安に思ってない。私はそう思うね。

(陽介)つまり、HIV感染が不安でたまらない人は感染確率を質問しても不安解消にはならないってことですね?

(私)その通りだ。言葉は悪いけど気休めでしかない。感染確率を知ってもHIV感染の不安は消えない。

(陽介)それじゃおじさん、HIV感染の行為別感染確率は何の意味もないんですか?

(私)いやいや、そんなことはない。HIV感染不安の解消には役立たないと思うけど、他にちゃんと意味はあるよ。

(陽介)例えばどんな意味があるんですか?

(私)まず、どんな行為でHIV感染が起きるのか分かる。

オーラルセックスにも感染確率が存在することは、つまりその行為でHIV感染が起きる可能性を示している。

(陽介)なるほど。感染確率の数値の大小ではなく、存在すること自体に意味がある訳ですね。

(私)ぞして、あくまで目安ではあるけど、どんな行為がより感染確率が高いかを知ることは予防に役立つね。

もっとも、コンドームを正しく使えばどの行為も感染の心配ないけどね。

(陽介)なるほど。

(私)そして、現在の日本におけるHIV感染ルートの理解にも役立つと思うね。

アナルセックスが最も感染確率が高いという事実は、男性同士の性的接触が最大感染ルートになっていることの理由づけになる。

個人のHIV感染不安解消に役立たなくても、日本全体という大きな母数で見たときにはそれなりに意味があると思う。

(陽介)分かりました。ではおじさん、今回のお話をまとめて頂けませんか?

(私)分かった。HIV感染の不安を抱える人は、自分の行った行為からHIV感染の確率を心配しても意味がない。

それよりも危険行為から3ヶ月経ったらすぐにHIV検査を受けることだね。それ以外にHIV感染の不安を解消する道はない。

これが今回の結論だよ。

そして最後に、日本では毎年約1,400人から1,500人くらいのHIV感染者が報告されている。

そして、その約30%はHIV感染が分かった時にはすでにエイズを発症している。

こうした「いきなりエイズ」の人たちは、早期のHIV検査を受けていればエイズ発症を防げた可能性が高い。

だからHIV感染の不安を感じたら感染確率など調べるより早く検査を受けることだね。

早期のHIV検査は救命的検査となるからね。

(陽介)分かりました。おじさん、ありがとうございました。

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