今から5年前、2013年11月に献血によるHIV感染事故が発覚しました。献血で集められた血液の中にHIVに汚染された血液が混入しており、それが医療機関で輸血に使われたのです。
HIVに汚染された血液を輸血されたのは60代の男性と80代の女性の2人でした。そして男性の方はHIVに感染してしまったのです。
なぜこんな事が起きてしまったのか?5年経った今でも再発する可能性はないのか?
テレビ、新聞、ネットでも衝撃的なニュースとして全国的な関心を引いたHIV感染事故から5年。ここでちょっと甥っ子の慎太郎といっしょに振り返ってみましょう。
(甥っ子慎太郎)おじさん、今日のお話は何ですか? |
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(私)慎太郎、5年前に起きた献血によるHIV感染事故を覚えているかい? |
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(慎太郎)はい。覚えてますよ。『献血のNAT検査をパスしたHIV!』ってお話で教えてもらいました。もうあれから5年も経つんですね。
(私)そうだね。あの時はしばらく全国版のニュースに取り上げられて大変な騒ぎだったね。
(慎太郎)そうでした。献血をHIV検査代わりに使用したのではないかと、非難の声も随分出ましたね。
(私)そうだったね。そして献血の血液が輸血などに使用されることへの安全性に不安を感じた人も多かったね。
(慎太郎)はい、それも覚えています。どうしてもHIV感染のリスクをゼロにすることが出来ないからですよね。
(私)そうだ。HIVに感染した直後の人が献血を受けた場合、その血液がHIVに汚染されていることを100%完全に検査ではじくことは不可能だ。それを不安に感じる人が多かった。
(慎太郎)確かあのHIV感染事故以来、日赤血液センターでは血液のウイルス感染検査をより厳重にやるようになったんですよね?
(私)そうだよ。献血で集めた血液はHIV感染のリスクを極力小さくするため、HIV抗体検査とNAT検査の両方を実施している。5年前はNAT検査は20人分をまとめて検査していたんだけど、あの事故発生を機に1人ずつの個別検査へ向かった。
そして事故の翌年、2014年8月から完全個別検査となったんだよ。それで検査精度を向上させ、HIV感染初期の献血者でも見つけようとしたんだ。
『核酸増幅検査(NAT)』(日赤ホームページ)
(慎太郎)そうでしたね。しかし、それでも検査をすり抜ける可能性はゼロには出来ないんですよね?
(私)そう。そこがHIV検査の限界なんだよ。どうしてもHIVに感染してからある期間は検査で確実に見つけることが出来ない。この期間をウインドーピリオドと言うんだけどね。
(慎太郎)NAT検査を完全個別仕様にしてもなお、そのリスクは残るんですね。
(私)だから献血前の問診を厳重にしたり、少しでもHIV感染の不安、心あたりがある人は保健所でHIV検査を受けるように呼び掛けているね。決して献血をHIV検査代わりに使わないように訴えている。
(慎太郎)それでおじさん、その後の5年間に同じようなHIV感染事故は起きてないんですか?
(私)もちろん起きていない。それはまず安心なんだけど、同時に献血でHIV感染が見つかる件数も減っている。
ちょっとこのデータを見てもらおうか。
1987年から2017年までの献血件数と、献血で見つかったHIV感染の件数だ。HIV感染が見つかった件数は2008年の107件をピークに減少に転じ、2017年は43件まで減ったんだ。
(慎太郎)本当ですね。ここ数年はどんどん減っていますね。
(私)さっきも言ったけど日赤血液センターでは2014年からNAT検査を個別検査に切り替え検査精度を向上させている。つまり、HIV感染をより見逃さないように改善している。
それでもHIV感染の報告件数は減っている。つまり献血を受ける人の中にHIV感染者の存在する割合が減ってるってことだね。
(慎太郎)おじさん、献血を受ける人の中にHIV感染者が減ったのはなぜですか?
(私)私が思うに理由は2つあると思うよ。1つは2013年のHIV感染事故以来、問診が厳しくなって献血をHIV検査代わりに利用する人が減ったことだ。
(慎太郎)なるほど。HIV感染のリスクが高い人が献血をしなくなったと言う訳ですね。
(私)そうだ。そしてもう1つの理由は、潜在的なHIV感染者が減少していることだ。何しろ献血件数は年間に470万件以上だ。年々減少傾向にあるとは言えこれだけの件数を全数HIV検査している訳だ。
この結果は潜在的なHIV感染者の動向と関連していると思うな。事実、ここ数年新規HIV感染者と新規エイズ患者の報告件数は減少傾向にある。
厚生労働省エイズ動向委員会のデータを見てご覧。
新規HIV感染者の報告件数が最も多かったのは2008年(平成20年)だ。
(慎太郎)確か献血でHIV感染が報告されたピークも2008年でしたね。
(私)そうだ。潜在的なHIV感染者が増えれば当然献血でのHIV感染報告も増えるだろうね。逆に潜在的なHIV感染者が減少すれば献血でのHIV感染報告も減るだろう。
(慎太郎)それがここ数年の傾向って訳ですね。
(私)そうだね。もっともエイズ動向委員会では近年の動向は「減少」ではなく「横ばい」と表現している。決して楽観視出来ないと言うことだ。
(慎太郎)しかしまぁ、献血におけるHIV感染の報告件数が年々減少傾向にあるのは間違いないですよね。
(私)そうだね。検査精度が向上しているのに報告件数は減ってる訳だから、5年前のようなHIV感染発生のリスクも小さくなっていると言えるね。
(慎太郎)もう二度とあんな事故は起きないで欲しいですね。
(私)本当にそう思うね。それにはやはり絶対に献血をHIV検査代わりに利用しないと言う意識が大事だよ。どうしたってHIV感染初期の検査は完璧じゃない。検査をすり抜ける可能性をゼロには出来ないからね。
(慎太郎)献血を受ける人がしっかりそこは意識しないといけないですね。
(私)それじゃ最後に今日の話をまとめようか。今から5年前の2013年、献血で集められた血液の中にHIVに汚染された血液が混じっていた。その血液が輸血に使われ、HIV感染が発生してしまった。
この事故を機に検査の精度向上が図られ、また献血前の問診もより厳しく確認するようになった。今のところ、あれ以来HIV感染の事故は再発していない。
あの5年前に起きたHIV感染が献血起因で発生した最後の事故になるよう、祈りたいね。
(慎太郎)本当にそうですね。
(私)それじゃ今日の話はこの辺で終りにしよう。
(慎太郎)おじさんありがとうございました。
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