妊婦がHIVに感染してた場合、治療を受けずに出産すると母子感染の確率は20%~30%と言われています。

では、抗HIV治療を受けた妊婦さんの場合はどうなのでしょうか。

私の調べたことを甥っ子の慎太郎に話しますのであなたもいっしょに聞いて下さい。

【今回のテーマと内容】

●テーマ:HIV母子感染の実態

1.過去記事のご紹介

2.抗HIV治療を受けての出産

3.まとめ
(甥っ子慎太郎)おじさん、HIVに感染した妊婦の出産について教えて下さい。
陽介
(私)慎太郎、何が知りたいんだい?
私

(慎太郎)はい。色々なHIVやエイズの本を読んでいると、感染ルートの1つとして母子感染が必ず出てきますよね。

(私)そうだね。HIVの感染ルートと言えば性行為感染、血液感染、そして母子感染が基本的な感染ルートだからね。

(慎太郎)はい。今までにおじさんも何度か母子感染のお話をしてくれましたよね。

(私)そうだったね。どんな話をしたか覚えているかい?

(慎太郎)はい、こんなお話でした。

『妊婦のHIV陽性者』

『HIVの母子感染は?』

(私)そうだったね。それで今日聞きたい話って何だい?

(慎太郎)はい。よくHIVの母子感染については感染確率の話が出ますよね。

(私)うん、必ず出て来るね。

(慎太郎)僕が教えてもらった話だと、妊婦がHIVに感染している場合、

●治療を受けずに出産した場合 感染確率20%~30%

●治療を受けて出産した場合 感染確率2%以下

こんな確率ですよね。

(私)そうだね。データの出所によっては多少数値は異なるけど、概ねそんなところかな。

(慎太郎)そうですよね。そこで気になるのは治療を受けた場合の感染確率なんですよ。

感染確率が2%以下って、かなり小さい確率なんですがゼロではないですよね。

だとすると、抗HIV治療を受けながら母子感染が発生してしまった実例もあるんですか?

それが知りたいんですけど。

(私)それは、最近読んだこの本の中に書かれているよ。


『HIV診療の「リアル」を伝授します』 丸善出版

この本の中に、

「日本では抗HIV治療を行いながらの分娩管理でHIV感染の例はない。」

と書かれている。

つまり、抗HIV治療を受けて出産に臨んで母子感染が発生した事例はゼロってことだ。

ただ、事例がゼロであっても母子感染の可能性、確率までゼロとは断言出来ないんだろうね。

それで1%とか2%とか、そういった極めて小さな確率を示しているんだと思うよ。

(慎太郎)そうなんですか。いや、実際のところHIV感染の治療を受けながら母子感染が発生してしまった例がどの位あるのか気になっていたんですけどゼロってことですね。

(私)そうだね。今ところゼロだ。

(慎太郎)でもおじさん、実際には毎年ではないにしてもHIVの母子感染って報告されていますよね。

(私)そうだね。前にも話したけど、こんな感じだね。

HIVの母子感染(エイズ動向委員会データより)

●2016年 0件

●2015年 1件

●2014年 2件

●2013年 1件

●2012年 0件

●2011年 1件

●2010年 3件

こんなふうにHIVの母子感染が発生している。

しかし、先の本の指摘では抗HIV治療を受けての母子感染は発生していないと言うことだから、これらは全て治療を受けずの出産と言うことになるね。

(慎太郎)いわゆる、「駆け込み出産」なんですかね。

(私)そういう事だろうな。

(慎太郎)とにかく、抗HIV治療を受ければ母子感染なしに出産出来ることが分かって安心しました。

それともう1つ、気になることがあるんですよ。

(私)なんだい?

(慎太郎)妊婦さんの場合はHIV検査で偽陽性が出やすいって聞いたんですけど、本当ですか?

(私)それは本当だよ。

先ほどの本にはその事も書かれている。

同署によると、妊婦さんがHIVのスクリーニング検査で陽性判定を受けた場合、それが本当の陽性である確率は8.3%だそうだ。

これは厚生労働省の母子感染研究班が調査した結果だ。

(慎太郎)と言うことは、スクリーニング検査でHIV陽性と判定された人が10人いたとすると、本当のHIV陽性は1人以下ってことですね。

(私)その通り。90%以上の人は偽陽性、すなわちHIVには感染していないって訳だ。

(慎太郎)それじゃスクリーニング検査で陽性判定を受けても確認検査の結果が出るまでは分かりませんね。

(私)そうだよ。何しろ断然HIVには感染していない可能性の方が高いからね。

(慎太郎)なるほど、分かりました。

(私)それじゃ今日の話を最後にまとめておこうかな。

●妊婦がHIVに感染していても、抗HIV治療を受けながら分娩管理を行えば母子感染は発生しない。

●妊婦のHIVスクリーニング検査では、陽性判定を受けてもそれが本当に陽性である確率は8.3%であり、あとは全て偽陽性である。

こんなところかな。

(慎太郎)おじさん、ありがとうございました。

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