最近、ネット上で抗HIV薬が個人輸入の形で販売されているのに気付きました。

いったい、抗HIV薬をネットで購入する人などいるのか疑問ですが、普通に考えて大変危険な気がします。

私の調べたことを甥っ子の慎太郎に話しますので、あなたも一緒に聞いて下さい。

【今回のテーマと内容】

●テーマ:ネットで簡単に買える抗HIV薬

1.ネットで簡単に買える抗HV薬

2.簡単には使えない抗HIV薬

3.まとめ
(甥っ子慎太郎)おじさん、最近ネットですごいびっくりするようなもの、見つけたんですけど!
陽介
(私)慎太郎、いったい何を見つけたんだい?
私

(慎太郎)それがですね、おじさん!抗HIV薬なんですよ!全く信じられませんでした。ネット上で売られているんです。

(私)うーん、抗HIV薬?ネット上で?それは知らなかったな。

(慎太郎)そうでしょう!僕が知らないだけで以前から売られていたのかも知れませんが、とにかく今はそんな販売サイトがいくつもあるんですよ。

(私)ふーん・・・どんな形で販売されているんだろうね。日本じゃ医師の処方箋なしに買えるはずないと思うけど。

(慎太郎)はい、全部海外から個人輸入する形で販売されているんです。僕が見つけたのはインドの製薬会社が販売している抗HIV薬でした。それを複数のネットショップが扱っています。

(私)そうか、個人輸入か。ネット上で売られているならそれしかないと思ったよ。抗HIV薬に限らず国内では医師の処方箋がないと買えない薬がネット上では簡単に買える。

それらは全て海外からの個人輸入なんだよ。例えば各種の抗生物質やED治療薬なんかそうだね。

(慎太郎)あ~、バイアグラとかですね。

(私)そうだ。バイアグラも使い方を間違えると副作用で大変なことになる。ましてや抗HIV薬となると素人判断で使うのは非常に危険だよ。

(慎太郎)そうですよね。ネットの抗HIV薬販売サイトを見ると、

「使用方法:使用は、エイズ治療経験のある主治医の指示を受けてください。」

って書いてありました。

抗HIV薬

(私)しかし、そんな注意が必要な薬をネットで販売って、意味が分からんね。いったいどんな人が買うんだろうね。

(慎太郎)本当ですね。医師の指示を受けて服用するなら薬も医師に処方してもらうのが普通ですよね。

(私)その通り。薬だけ自分で購入して使い方の指示だけ受けるなんてあり得ないね。

(慎太郎)個人輸入ですから全ては自己責任ですよね。

(私)そうだ。どんな副作用が出ても責任は自分にあるってわけだ。そもそも抗HIV薬は使用するのが大変難しい。

今までにも何回か抗HIV治療の難しさを話してきたよね。

(慎太郎)はい。

抗HIV薬の使い方は?

抗HIV薬はこんなに改善されてきた!

他にもたくさん話してくれました。

(私)抗HIV薬は単独で使用するのではなく、3種類を同時に使用する多剤併用法が基本だ。

(慎太郎)ARTと呼ばれてる治療法ですよね。

(私)その通り。単独で薬を使ってもHIVは容易に耐性を獲得してすぐに薬が効かなくなる。だから3種類を併用することで耐性を持たせないようにしている。

(慎太郎)はい、そんなお話でしたね。

(私)国立感染症研究所がこんな記事を載せているよ。

『日本における薬剤耐性HIVの動向Update』

この記事の中に大変興味深いことが書かれている。

●HIVの治療は多剤併用療法が確立され20年が経過したが、確立された当初と比べその進歩は目覚ましい。

●服薬回数の減少、耐性を獲得しにくい、副作用の軽減、といった質的改善が進んだ。

●1996~1999年と2008~2010年を比較したところ、HIV感染者における平均寿命は女性で9年、男性で11年改善され、一般の方と平均寿命は変わらなくなってきた。

こんな記事だよ。

(慎太郎)なるほど。抗HIV薬を正しく使用することでHIVに感染しても非感染者と同じ寿命になったという訳ですね。

(私)そうだよ。ただし、未だに古い品質のよくない抗HIV薬が使われている国もあって、そこではHIVの耐性が問題になっているんだ。治療がうまくいかないケースもあるんだよ。

(慎太郎)それじゃ僕が見つけたネットで売られている抗HIV薬もどんな品質なのか分かりませんね。もしかしたら古い改善前の薬かも知れません。

(私)むろんそんな危険性もあるね。それより何より最初にも言ったけど抗HIV薬は使用法が難しく専門医の診察検査の上でないと使えない。風邪薬や下痢止めとは訳が違うよ。

(慎太郎)そうですよね。まぁ、実際にネットで抗HIV薬買う人って、ちょっと想像できないですけどね。

(私)でも簡単に買うことが出来るから興味本位で買う人はいるかも知れない。くれぐれも安易に使用しないで欲しいね。

例えば危険行為の直後にHIV感染の予防目的で使ったりすることが心配だね。まるで針刺し事故の緊急手当てみたいにね。

(慎太郎)それ僕もネットで記事を読んだことがあります。『暴露前予防投薬(PrEP)』ってやつですよね?

(私)その通り。外国ではすでに一般にも使用されている例もある。だから日本でもネットで購入して使う人がいないとは限らない。そこが心配だね。

もっとも『暴露前予防投薬(PrEP)』で使用されている抗HIV薬は1錠が4,000円近くもする。慎太郎がネットで見た抗HIV薬はどんなだった?

(慎太郎)僕が見たのは1錠460円でした。まるで安くて違いますね。

(私)うーん、だとすると、そうした安い薬を『暴露前予防投薬(PrEP)』に使用するのは効果がない上に副作用や耐性の問題で危険だね。

(慎太郎)何にしても医師の指示なしには使わないことですよね。

(私)その通りだよ。それじゃ今日はこの辺にしておこう。

(慎太郎)おじさん、ありがとうございました。

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