毎日色んな患者を診察したり、検査をしたりしている医師や看護師。

当然のように患者から病気をうつされるリスクを抱えています。

では、そんな医療現場で日々働いている医師や看護師は定期的にHIV検査を受けているのでしょうか?

私の調べたことを甥っ子の慎太郎に話しますので、あなたもごいっしょに聞いて下さい。

(甥っ子慎太郎)おじさん、病院の医師とか看護師さんって、HIV検査を受けているんですか?
陽介
(私)慎太郎、それはまたどうしてそんな事を聞くんだい?
私

(慎太郎)実は先日、風邪でかかりつけの病院に行ったんですよ。熱もあって、けっこうひどかったんですね。

それで診てくれた先生とか、付き添いの看護師さんとかに僕の風邪がうつらないかなって心配したんです。

(私)なるほど。

(慎太郎)その時、ふと思ったんですけど、こうして毎日患者を診察したり、注射したりしてると当然患者の病気をうつされる危険性も高いんだろうなって。

(私)まぁ、飛沫感染する風邪とかインフルエンザとかは用心してるだろうね、きっと。

(慎太郎)そうですよね。そしてその時更に思ったのは、HIVとかウイルス性肝炎とか、そうした病気も感染予防に用心してるはずだってことです。

(私)そりゃ当然用心してるよ。

(慎太郎)だからその用心でHIV検査を定期的に受けたりしてるのかなって思ったんです。

(私)それで私に質問した訳か。

(慎太郎)はい、そういう理由です。

(私)なるほど。では、まずはいきなり答えから見てもらおうかな。このグラフをご覧。

医療従事者のHIV検査
図1.医療従事者の感染症検査

これは2013年にメドピアと言う企業が行った医療従事者に対するアンケート調査の結果だよ。

設問は、

「感染症検査をしていますか?」

これだ。

アンケートの対象人数は医療従事者3,275人だった。

このアンケート調査結果によると、

●定期的に検査をしている。55.7%

●検査をしていない。22.0%

●不定期に検査をしている。18.7%

●施設では行っていないが、自分で検査を受けている。3.6%

と言う結果だね。

(慎太郎)う~ん、こんなものですか。定期的に受けてるのは意外に少なくて、6割にも達してないんですね。

(私)そうだね。

(慎太郎)検査を受けていない医療従事者も2割以上いるんですね。これも多くて意外でした。

でもおじさん、このアンケートでは「感染症の検査」となっていますけど、具体的にはどんな感染症なんですか?

(私)それがね、圧倒的にB型肝炎、C型肝炎なんだよ。それに風疹が少し。

(慎太郎)へえ!そうなんですか!HIV検査ってしないんですか?

(私)このアンケート調査ではほとんどないみたいだね。

(慎太郎)う~ん、そうなんですか。

(私)まぁね、前から言ってるようにHIVは感染力の弱いウイルスだから、針刺し事故でもない限り検査する必要はないんだと思うよ。

(慎太郎)そうですか。

(私)このアンケート以外にも、ネットの質問サイトで

「医療従事者はHIV検査をするのですか?」

と言う質問が上がっている。

その回答を見ると、医師も看護師も、

「HIV検査はしません。やってもウイルス性肝炎だけです。」

と言う回答が圧倒的に多く、先ほどのアンケート調査の回答と同じだった。

(慎太郎)なるほど。

(私)色んな感染症の患者さんが来院する病院では院内感染防止のための処置がとられているから、当然HIVもその感染予防処置によって対策されてるって訳だ。

(慎太郎)言い換えると、感染力の弱いHIVに対して、定期的に検査しないと不安でたまらない、って言うのは感染予防が不十分だってことですね。

(私)そうとも言えるよね、きっと。まぁ、特別にHIVの研究を専門に行っている研究室みたいなところで働いている人は検査を受けてるかも知れないけどね。

でも、そんな環境だと余計に日常の感染予防が徹底されているはずだから、やっぱりHIV検査は受けないかな。

(慎太郎)とにかく、一般の病院では医師も看護師も定期不定期に関わらずHIV検査を受けることはまずない訳ですね。

(私)そうだね。針刺し事故の場合とか、個人的に不安を感じる理由などがあればHIV検査を受けることもあるけどね。

(慎太郎)そのくらい普段から感染予防の対策が取られているし、その上HIVは感染力が弱いウイルスだってことですね。

(私)そうだね。

(慎太郎)分かりました。おじさん、今日はどうもありがとうございました。

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