「HIV感染からエイズ発症までの潜伏期間は約10年」こんなフレーズを良く見たり聞いたりしますね。
でもこれって本当なのでしょうか?つい最近、気になる記事を見つけたのでそれを甥っ子の陽介に話したいと思います。あなたもぜひいっしょに聞いて下さい。
(甥っ子陽介)おじさん、今日はどんなお話しですか? | (私)陽介、今日はエイズの潜伏期間についての話だよ。 |
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(陽介)エイズの潜伏期間ですか?え~っと、以前は10年位と言われたいたのが最近は2年とか3年の例も報告されているって、以前教えてもらいましたよね。
(私)『エイズの潜伏期間はどのくらい?』って話のときだね。
(陽介)はい、そうです。
(私)確かにその話をしたときは、さっき陽介が言った内容だったね。
(陽介)え、それじゃ今日の話を前回とは違う内容ですか?エイズの潜伏期間に新情報ですか?
(私)う~ん、新情報ってことでもないんだけどね。私が見つけた記事と言うのは、国立感染症研究所名誉所員の吉倉廣氏の記事で、『日本のHIV/AIDS (1985~2011年)の特徴』というタイトルだよ。
この記事の一番最後の数行に、ちょっと意外な内容が書かれてあったんだ。
(陽介)へぇ~、どんな内容ですか?
(私)それがね、こうなんだよ。
『AIDS発症時期については、血液製剤感染データから感染後10年位とされているが、性感染におけるAIDS発症時期は不明である。少なくとも「HIV感染者」に対し「AIDS患者」の流行が10年遅れたという統計は無い』
(陽介)え!!!そうなんですか!!!びっくりですね!!!!いったいどう言うことですか?
(私)そもそも日本におけるHIV感染、エイズ発症は血液製剤による感染、薬害エイズから始まっている。これが1980年代の初めだね。
(陽介)はい。
(私)当時は今みたいに抗HIV治療が確立されていなくて、HIVに感染することは数年先の死を意味していた。HIV感染症は致死的疾患だったんだよ。
(陽介)そうでしたね。
(私)だからHIV感染が見つかってから、エイズを発症して死に至るまでのデータがかなり残ってたんだと思う。残念だけど当時はエイズで死んでいくのを防ぐことは出来なかったんだね。
(陽介)はい。
(私)それが1997年頃から始まったARTと呼ばれる抗HIV医療によって死亡者は激減する。HIVに感染してもエイズ発症を防ぐことが可能になってきたんだよ。
(陽介)『エイズの治療とは?』って話の時に教えてもらいましたね。
(私)そうだったね。だからART開始以降はHIVに感染してもエイズを発症したり、ましてやエイズで亡くなる人は激減したんだよ。
(陽介)それで吉倉廣氏の言われるように、性感染のデータはないって訳ですね。
(私)厚生労働省エイズ動向委員会のデータを見てみると、記録が公開されている1985年から、ARTが始まった1997年までの18年間に新規HIV感染者として報告された件数、新規エイズ患者として報告された件数は以下の通りだ。
●新規HIV感染者 2,494件
●新規エイズ患者 1,057件
そしてこの18年間にエイズ患者の病変死亡件数は505件だった。
(陽介)18年間で505件ですか。でもこれは全数ではないんでしょう?
(私)うん、そうだね。HIV感染者とエイズ患者は全数だけど、病変死亡件数についてはたぶん全数じゃないと思うよ。
(陽介)これらの件数は主に性行為感染によるものですよね?
(私)その通り。むろん、少数の母子感染、血液感染を含むけど圧倒的に性行為感染が多い。
(陽介)そしてその性行為感染におけるエイズ発症までの潜伏期間データはないってことなんですね。
(私)まぁ、先ほども見せたようなデータが公開されているから、全くデータがない訳じゃないんだろうね。でも専門家の吉倉廣氏が「性感染におけるAIDS発症時期は不明である」と言い切ってるから、やはり不明なんだろうね。
(陽介)と言うことは、僕らが信じてた「エイズ発症までの潜伏期間10年」は必ずしもそうでない可能性があるってことですね。
(私)そうだね。血液製剤でのHIV感染も、性行為でのHIV感染も、エイズ潜伏期間は同じかも知れないし、もしかしたら違うのかも知れない。何しろ不明ってことなので分からない。
(陽介)でも、HIVの感染ルートは80%~90%は性行為感染ですよね。その潜伏期間が不明ってことは、要するにエイズの潜伏期間は不明ってことにほぼ等しいですね。
(私)そういうことになるね。ただ実際問題としては抗HIV医療が進んでHIVに感染してもエイズ発症を防げるようになったからね。
(陽介)でもおじさん、HIVに感染してもそれに気付かず、いきなりエイズを発症する人も少ないはないですよね?いくら抗HIV医療が進んでもHIV検査を受けない人、感染が分かってない人はエイズを発症しますよね。
(私)陽介の言う通りだ。それはとても大きな問題だね。過去に何度も説明したように、今の日本ではHIVに感染したと報告された人の約30%はすでにエイズを発症してる。このケースについてはエイズ潜伏期間は問題だね。
(陽介)でもそれが不明ってことですから、僕たちに出来ることはやっぱりHIV検査を受けることに尽きるのでは?
(私)その通りだよ。潜伏期間が10年だろうが5年だろうが、とにかく早期に発見することが何より大事であって、早期のHIV検査は救命的検査であることに変わりはないよ。
(陽介)そうですね。分かりました。
(私)それじゃ今日の話はこの辺でお終いだよ。
(陽介)おじさん、ありがとうございました。
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