平成30年(2018年)1月18日付けで厚生労働省は各自治体を通じて、全国の医療関係者に、

『後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針の全部改正について』

と言う通知を出しました。

今回はこの通知の中から特に私が注目した点を甥っ子の慎太郎に話そうと思います。ぜひ、あなたもごいっしょに聞いて下さい。

(甥っ子慎太郎)おじさん、今日のお話は何ですか?
陽介
(私)慎太郎、今日は厚生労働省がエイズに関する通知を出したって話だよ。
私

(慎太郎)厚生労働省が出した通知ですか?それってどんな通知ですか?

(私)『後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針の全部改正について』と言う通知だ。全国の自治体を通して医療機関や関連部署に通知された。

(慎太郎)うわ~!なんかやたらと長くて意味不明ですね!

(私)まぁ、簡単に言えば、エイズ対策を進めるための行動指針ってことだ。治療、予防、研究、人権問題などエイズに関する包括的な指針だね。

(慎太郎)ふ~ん、そうなんですか。

(私)これが今年、平成30年の1月18日付けで通知された。この通知の前は平静24年1月19日に通知されていて、その改正版ってわけだ。

(慎太郎)そうなんですか。それでおじさん、いったいこの通知にはどんな内容が書かれていたんですか?

(私)そうだね。色んな観点から包括的な行動指針が書かれているんだけど、要点をまとめるとこんな感じかな。

■効果的な普及啓発

■発生動向調査の強化

■予後改善に伴う新たな課題へ対応するための医療の提供

■保健所等・医療機関での検査拡大

(慎太郎)この要点だけを見ると、特別目新しいことってないですね。今までもずっと言われてきたことばかりのような気がしますけど。

(私)まぁ、大半はそうだね。でも中には新しい指針も出てくるよ。例えば、抗HIV薬の暴露前予防投薬(Pre-exposure prophylaxis)についてとかね。

(慎太郎)抗HIV薬の暴露前予防投薬?何ですか、それって?

(私)暴露ってのはウイルスや細菌にさらされること。つまり、HIVが体内に侵入する前に抗HIV薬を飲んで、HIVに感染することを予防しようってわけだ。

(慎太郎)そんなことが出来るんですか?

(私)例えば医療現場で針刺し事故が起きた時、抗HIV薬をすぐに投与するよね。これは体内にHIVが侵入しても即効で薬が効いて感染の成立を防ぐための処置だ。これは暴露後予防投与と呼ばれてる。

暴露前予防投与も同じ効果を狙ったもので、予め抗HIV薬を飲んでおけば、万一HIVが侵入してきても感染が成立せずに済むってわけだ。

(慎太郎)ふ~ん、そうなんですか。でも、まだHIVに感染してもいないのに薬を飲むのはどうも・・。

(私)むろん、やみくもに行う予防処置じゃないよ。感染リスクが高い人たちが対象になるわけで、誰にでもやるわけじゃない。

(慎太郎)例えばどんな人ですか?

(私)すでに普及が始まっているアメリカの場合だと、HIV陽性のパートナーがいる人、セックスワーカー、その他潜在的な感染リスクの高い人たちが対象になってる。

安全性にも十分な配慮が必要なのでそれぞれの国でガイドラインが作られているよ。2015年にはWHO(世界保健機関)も効果を認めてガイドラインを作ったそうだ。

(慎太郎)そうなんですか。それじゃ日本でも暴露前予防投与が始まるんですか?

(私)外国に比べて普及が遅れてるね。やっと専門家の間で議論が始まった段階かな。ただ、国立国際医療研究センターのセクシャルヘルス(SH)外来では通院患者さんの一部を対象に、暴露前投与の効果を確認する研究が始まっているよ。

(慎太郎)それじゃそのうち、日本でも普及するんですか?

(私)そうだね。やがては普及するかも知れない。ただし、コストの問題、安全性の問題など課題は多いよ。

(慎太郎)分かりました。厚生労働省からの通知では、他にはどんなことが書かれてあったんですか?

(私)そうだな。郵送式のHIV検査キットのことも初めて出てきた。2015年には年間に9万個以上が使われているとあって、厚生労働省でも無視できない使用量になってきたって感じかな。

(慎太郎)郵送式HIV検査キットのどんなことが書かれているんですか?

(私)うん、それはね、郵送検査で陽性判定を受けた利用者に対して、いかに医療機関へつなぐか、そこを検討する必要があると指摘してるんだよ。

(慎太郎)なるほど。郵送式HIV検査はスクリーニング検査だから、陽性になってもHIV感染が確定するわけじゃないんですよね。次に確認検査が必要なんですね。

(私)その通り。でも、郵送検査ではスクリーニング検査だけで確認検査は出来ない。だから検査キットで陽性判定を受けた人は必ず医療機関に行って確認検査まで受ける必要がある。

現状だと、検査キット販売会社も、陽性判定を返した利用者がその後医療機関で検査を受けたかどうかは分からない。

(慎太郎)そうでしょうね。

(私)でも、最近じゃ検査キットで陽性判定になったとき、利用者が希望すれば最寄りのエイズ拠点病院、あるいは提携している医療機関を紹介する販売会社が増えてきた。

(慎太郎)なるほど。

(私)ところで私はこの郵送式HIV検査キットの課題を読んで全く別のことを感じたよ。

(慎太郎)と言うと?

(私)厚生労働省が郵送式HIV検査キットの課題として指摘したのは陽性判定を受けた後の対処だ。つまり、検査そのものの信頼性や安全性については課題として指摘していない。

(慎太郎)そうですね、確かに。

(私)まぁ、それと言うのも過去に何回か郵送式HIV検査キットの信頼性については厚生労働省も研究班が調査を行っていて、医療機関と同じ信頼性を確認してるんだよね。

(慎太郎)そうなんですか。

(私)例えばこの記事に詳しく書かれているよ。『STDチェッカーの感度と特異度』

(慎太郎)厚生労働省がSTDチェッカーを含む郵送式HIV検査キットの検査精度を調査した結果が載ってますね。

(私)そうだね。むろん、厚生労働省の本来の立場としては郵送検査ではなく保健所や病院でHIV検査を受けて欲しいと言うだろうね。

しかし、すでに年間に9万個以上も使われている現状があるからね。数年先には保健所のHIV検査数より郵送式のHIV検査の方が件数は多くなるかも知れない。そのくらい利用者が増えている。

(慎太郎)そうした現状を踏まえて、先ほどの課題指摘ってことになるわけですね。

(私)そうだね。検査の信頼性は問題ないが、陽性判定だった時に、利用者をどうサポートするか、そこが課題だね。

(慎太郎)おじさん、厚生労働省の通知には他にどんなことが書かれてたんですか?

(私)そうだな。それじゃもう1つ話そうか。通知書の中にはこんなことも書かれていたよ。

『医療従事者は、性器クラミジア感染症、性器ヘルペス感染症、尖圭コンジローマ、梅毒、淋菌感染症、B型肝炎、アメーバ赤痢等の性感染症のり患が疑われる者に対して、HIV検査の実施を積極的に検討する必要があること。』

つまり、こうした性感染症に感染している患者はHIVにも感染している可能性が高いからね。特に梅毒、B型肝炎、クラミジアは重複感染が多い。

(慎太郎)そうなんですね。

(私)だから、慎太郎もこんな病気に感染したときは必ずHIV検査も受けるんだよ。例え慎太郎を診察した医師がHIV検査を勧めなくてもね。

(慎太郎)分かりました。厚生労働省がわざわざ通知書の中に書いてるってことは、現場でのHIV検査が不十分ってことなんでしょうね。

(私)うん、そうかも知れないね。まぁ、泌尿器科や婦人科で何かの性感染症がみつかったらたいていHIV検査はすると思うけどね。

むしろ皮膚科や一般内科、口腔外科などが危ないかも知れないね。

(慎太郎)あまりHIV感染の患者を診ない現場が見逃す危険性が高いってことですね。

(私)そういうことだ。この予防指針は少なくとも5年に一度は見直すことになっている。今後のエイズ動向、医療の進歩などを背景にまた改正される時期が来ると思うよ。

(慎太郎)その時はまた教えて下さいね、おじさん。

(私)分かったよ慎太郎。では、今回の話はここらでお終いにしようか。

(慎太郎)ありがとうございました。

 

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