全国の保健所では無料・匿名でHIV検査を受けることが出来ます。
では、保健所でHIV検査を受けるときの注意点とは何でしょうか?
(甥っ子慎太郎)おじさん保健所でHIV検査を受けるときの注意点って、何かあるんですか? |
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(私)慎太郎、特に心配することはないよ。誰でも簡単にHIV検査を受けることが出来きるように保健所の職員が対応してくれる。 |
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(慎太郎)だいたいどんな手順でHIV検査を受ければいいんですか。
(私)そうだね。注意点を話す前に、保健所でHIV検査を受けるときの大まかな流れを説明しておこう。
1.電話で予約する。
検査人数の多い都会の保健所などでは予約不要のところもあるけど、多くの保健所では予約することになっている。
保健所に電話して検査日を確認して予約を入れる。このとき、住所や氏名などの個人情報は不要だよ。
2.予約日に保健所に行く。
保健所の中にHIV検査の部署があるからそこに行く。ちょっと気遅れするかも知れないけど、勇気を出して行こう。
保健所によっては受験者同士が顔を合わせなくて済むように時間調整しているところもあるよ。
また保健所の職員ともなるべく顔を合わせなくても済むようにカーテンやパーテーションを使っている保健所もある。
3.担当者との2者面談がある。
保健所のHIV検査担当者からHIV検査の説明と簡単なアンケート調査がある。ここでも個人情報は一切不要だし、アンケートも答えたくなければ答えなくてもいい。
4.採血する。
HIV検査に必要な血液の量はわずか5cc程度なので、すぐに終わるよ。
5.採血した血液でHIV抗原・抗体検査を行う。
もしも通常検査ならここでその日は終了だ。検査結果は1週間から10日くらい先になる。本人確認用の受検票をもらって帰ることになる。
でも即日検査(迅速検査)なら1時間ほど待たされて、検査結果をその日のうちに教えてもらうんだ。
6.検査結果の告知(陰性の場合)
検査結果が陰性だった場合は、今後もHIVに感染しないように簡単な指導があり、またアンケート調査があるよ。それからHIV感染の予防マニュアルをくれる。これで全て終了だ。
7.検査結果の告知(陽性の場合)
保健所で最初に行う検査はスクリーニング検査と言い、ここで陽性になると確認検査を受けることになる。
と言うのは、スクリーニング検査では100人に1人くらいの割合で偽陽性が発生するからだ。
偽陽性とは本当はHIVに感染していないのに陽性と判定されることを言う。確認検査でも再び陽性判定が出ると、この段階でHIV陽性が確定する。
保健所でエイズ拠点病院を紹介してくれるので、そちらで今後の治療を相談することになるんだ。
治療の他にも今後の生活のことや家族、職場に対してどうするか、色んなことで相談に乗ってくれる。
まぁ、保険所のHIV検査の流れはだいたいこんなものかな。分かったかい、慎太郎。
(慎太郎)うん、分かりました。では特に注意が必要なことってありますか?
(私)うーん、いくつか大事なことはあるけど、全部保険所の職員がチェックしてくれるので、HIV検査を受ける方は知らなくても大丈夫だよ。
(慎太郎)おー、それなら安心ですね。
(私)そうだけど前もって注意点を知っておけばより安心できるだろう。
保健所のHIV検査で注意すべき点は、次の3つかな。
1.ウインドーピリオドに注意する。(検査のタイミング)
2.偽陽性に注意する。(HIV陽性の確定条件)
3.HIV以外の性感染症検査。(HIV感染予防・重複感染検査)
それじゃ1つずつ話していくね。
(慎太郎)お願いします。
(私)まず、ウインドーピリオドの確認だね。これはHIV検査を予約するときに保健所から必ず質問されるよ。
保健所のHIV検査は感染の可能性があった日から2ヶ月、または3ヶ月経過してから受けることになっているんだ。
それ以前に検査を受けても正確な検査が出来ない。
(慎太郎)2ヶ月の保健所と3ヶ月の保健所があるんですか?
(私)以前はどこでも3ヶ月だった。それはHIV抗体検査だから3ヶ月待たないと正確な検査が出来なかったからね。
でも、今ではHIV抗体の他にHIV抗原も検査する、第四世代のHIV抗原抗体検査が普及している。
HIV抗原は抗体より早く体内に出現するんだ。それで3ヶ月が2ヶ月に短縮されたんだよ。
(慎太郎)それじゃまだ3ヶ月設定のままになってる保健所は第四世代じゃなくてHIV抗体検査なんですか?
(私)いや、未だに第三世代のHIV抗体検査をやってる保健所はないと思うよ。
何しろ第四世代のHIV検査の方が感染初期の検査では信頼性がより高いので、どんどん第三世代から替わってる。
でも保健所では第三世代の頃に3ヶ月設定だったので今でも余裕を見て3ヶ月のままにしてるんだと思うよ。
それに可能性は非常に小さいけどHIV-2の感染まで検査しようと思えば3ヶ月待たないと正確に検査出来ない。
(慎太郎)それは前に教えてくれましたね。HIVにはHIV-1とHIV-2の2種類があるんですよね。
(私)その通りだ。HIV抗原検査はHIV-1しか出来ない。だからHIV-2の検査は従来通りHIV抗体を検査するので3ヶ月後じゃないと正確に検査出来ない。
ただし、日本でHIV-2の感染者は過去にわずか数件しか報告されていない。主に西アフリカへの渡航歴のある人、あるいは渡航歴のある人と接触を持った人が感染しているんだ。
(慎太郎)それじゃHIV-1だけ検査すればほぼ安心ってことですね。
(私)まぁね。それに3ヶ月というのもかなり余裕を見てるからね。HIV-2も2ヶ月後にはほぼ抗体が出現するんだよ。
いずれにしても、自分がHIV検査を受けようとする保健所でウインドーピリオドを確認するのが間違いないね。
(慎太郎)なるほど。分かりました。
しかしおじさん、もしもウインドーピリオドを過ぎていなければ保健所ではHIV検査は受けられないんですか?
(私)う~ん、保健所によってはホームページ上で「受けられない」と書いてあるところもあるね。
でも、実際にはウインドーピリオドが過ぎるまで待てない人が受けに来てる。
1HIV感染の不安が大きい人は、信頼性が100%じゃなくてもいいから、とにかく検査を受けて安心したいと思うんだね。
その場合は検査結果を完全に信用することが出来ないので、3ヶ月過ぎたら再検査が必要だね。
(慎太郎)なるほど。他に大事な注意点はありますか?
(私)2つ目の注意点は偽陽性についてだ。先ほども話したけど、最初のスクリーニング検査で仮に陽性になってもまだ確定していない。
だから決して絶望したりやけになってはいけないんだよ。特に妊婦は偽陽性率が高くなるとした記事を読んだこともある。
(慎太郎)その偽陽性については保健所でも説明してくれるんでしょう?
(私)もちろんだよ。だから心配しなくていい。ただ、事前に偽陽性が出るかも知れないと分かっていればいざというとき慌てなくて済むしね。
そうそう、いつだったか、HIV検査の体験談を読んでいたら面白いのがあったよ。
男女の若いペアが二人揃ってHIV検査を受けに保健所に行ったんだ。
特に感染の不安があった訳じゃないけど、念のために受けたそうだ。
そしたら何と二人とも陽性だったんだ。まさかHIV陽性が出るとは思ってもみなかった二人は驚いた。
そこで確認検査を受けたんだけど、結果が出るまでの1週間は相当辛かったそうだ。当然だよね。何しろ思ってもいなかった結果だから。
そして確認検査の結果が出た。何と二人とも陰性だったんだ。最初のスクリーニング検査は二人とも偽陽性だったという訳だ。こんなこともあるんだよ。
(慎太郎)すごい確率の偶然ですね!
(私)本当にそうだね。まぁ、こうした例もあるので、確認検査の結果が出るまでは決してHIVに感染していると自分で決めつけないことだよ。
他にもいろんな人がHIV検査を受けた体験記が公開されているので読んでみるといいよ。
(慎太郎)分かりました。おじさん、3つ目の注意点は何ですか?
(私)うん、3つ目の注意点はね、保健所ではHIVの他にも性感染症の検査をしてくれるってことだよ。
これを利用しない手はない。例えば梅毒やクラミジア、淋菌感染症などだね。
(慎太郎)ホントですか。それも無料ですか?
(私)そうだよ。無料・匿名で検査を受けることが出来る。
ただし、条件が2つあるんだ。
1.必ずHIV検査と同時に受けること。HIV検査なしで梅毒やクラミジアだけの検査は受けられない。
2.HIV検査以外は即日検査が少ない。従って後日検査結果を聞きにまた保健所まで行かなくちゃいけない。
この2点だよ。
(慎太郎)なるほど。その2つが条件なんですね。
その条件をクリアすればクラミジアなどの検査も全国どこでも受けられるんですか?
(私)いや、残念ながらそうじゃない。
HIVは全国どこの保健所でも受けられるけど、HIV以外の性感染症は保健所ごとに検査科目が変わるんだ。
だから最寄りの保険所に確認しないと分からない。
(慎太郎)でも、どうして保健所では梅毒やクラミジアなどの検査もやってくれるんですか?
(私)おー、いい質問だね。その理由は2つあるよ。
1.現実問題としてHIV感染と梅毒、クラミジアなどの重複感染が多いから。
そして重複感染すると単独より重症化したり、病気の進行が早くなることがあるから。
2.仮にHIVには感染していなくても、梅毒、クラミジア、淋菌に感染していると、健康な人の3倍も5倍もHIV感染のリスクが高くなる。
だからHIV検査といっしょに梅毒やクラミジアの検査をすることは今後のHIV感染予防にも大事なことなんだよ。
(慎太郎)そうなんですね。よく分かりました。
(私)まぁ、早い話がHIVも梅毒もクラミジアも淋菌も、全て性感染症は同じ感染ルートだってことだよ。
HIV感染の可能性があるなら当然梅毒もクラミジアも危ない。当たり前の話だよね。
ただ、保健所では必ずしもHIV以外の検査に対しては積極的に受けるよう勧めないかも知れない。
せっかくの機会なので、HIV検査を受けるならぜひ他の性感染症も受けて欲しいね。
(慎太郎)はい!分かりました。僕は他の性感染症も受けます!
(私)最後に保健所HIV検査の問題点をあげておこう。
●平日の昼間しか検査していない保健所が多い。仕事や家の用事が忙しくて行けない人もいる。
●検査結果が1時間で分かる即日検査がなく、通常検査だけの保健所も全体の1/3ほどある。
通常検査の場合は1週間から2週間後にもう一度保健所まで行く必要がある。
●匿名検査ではあるが、人目を気にする受検者もいる。特に地方の小さな町の保健所では知った顔に会うのを恐れて保健所に行けない人もいる。
こんな問題があるんだ。
(慎太郎)なるほど。人目が気になるってのは分かりますね。特に女性や高齢者だと、保健所には行きにくいかも知れませんね。
本来なら人目なんて気にせずHIV検査を受けられるといいのですが。
(私)そうだね。でも、人目が気になるからといって、HIV感染不安をそのままにするのは絶対よくない。
どうしても保健所に行けない人は自宅で使える郵送式のHIV検査キットもあるから、それを使ってでもHIV検査を受けて欲しいね。
STDチェッカーを使えば保健所や病院と同じ第四世代のHIV抗原抗体検査が受けられるよ。
今のところ第四世代のHIV検査を採用している郵送検査はSTDチェッカーだけだ。
さっきも言ったけど「いきなりエイズ」を防ぐには早期のHIV検査しかない。
(慎太郎)分かりました。おじさん、今日はどうもありがとうございました。
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補足資料
①みんなの保健所HIV検査体験記(HIV感染症の症状完全ガイド)
色んな人が、色んなところでHIV検査を受けた体験記です。海外編もあります。
②HIVとHBV・HCVの重複感染 (HIV検査完全ガイド)
HIVとB型肝炎、C型肝炎の重複感染リスクを詳しく説明しています。
③HIV感染のリスクを高める性感染症(HIV検査完全ガイド)
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④保健所におけるHIV感染症以外の性感染症検査
詳しくは姉妹サイトをご覧ください。